ミドルエイジのビジネスマン
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| 2009年09月13日(日) |
おじさんは、なぜ時代小説を読むのか |
若い頃は、五十過ぎのおじさんが電車の中で文庫本の時代小説などを読んでいると、この人はもう、人生終わったのかなあと眺めていたものだが、先週、山本一力の「峠越え」という小説を通勤電車の中で読み終えた。
現在の自分と全く利害関係のない江戸時代の人々の物語。あちこちに、知っている地名や、彼らが食べていた食事の内容がでてきたり、所々に人生訓がちりばめられていて、なるほどと感心したり。やたら、眼の力や胆力が人生を切り開くきっかけになり、そうかと思えば、現代と同じように一流となる者は、あらゆる事象に対する観察力を磨いている。
あまたの要素の中で最も大きい要素は、やはり現実からの逃避だろう。新聞の連載小説をこの作者が書いているので、図書館でふと眼にした本を借り出したのだった。最初はハンモックの上で風に吹かれながら読むにちょうどよいと思った程度だったものが、深入りして通勤電車で読むようになってしまった。おじさん、今から現実逃避してどうするんだよ。
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