ミドルエイジのビジネスマン
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2009年05月06日(水) ゴールデンウィークはデッキの上で

ゴールデンウィークは自宅のウッドデッキの上で過ごしたようなものだ。新潮文庫の「チャイルド44」というミステリーを持ち出して、ビールを飲みながら読み進める。オーニングが陽射しを和らげて眩しくはないが、裸足の足はお日様を受けて温かい。木々の緑も少しずつ、淡い薄緑色から、厚く濃い緑に変わろうとしている。

旧ソ連体制下での連続児童殺人事件が題材となっている。子供がかわいそうな目に遭うのは耐え難いので、以前、一旦読み続けるのを断念したのだが、旧ソ連体制下での暮らしや捜査方法への関心が勝った。凍てつく森や、人をも喰らわねば生き延びられない大飢饉、そして、首都モスクワでも、アパートの厳しい住宅事情を垣間見ることができる。やはり、読んでよかったと思う。

夜は、田植えを終えたばかりの田んぼから聞こえてくるカエルの声に耳を澄ます。もっと近くで聞きたいと、自転車に乗ってすぐそばまで駆けつけ、夜の闇を圧倒する大軍団のどよめきに酔う。おそらく、これこそがハッピーリタイアメントを求めた人の持つ喜び、そして感慨だろう。だが、こちらは未曾有の大不況を前に立ちすくむ小市民だ。なんでもありの政府の大盤振る舞いに、いっとき気持ちも楽観的になりかけるが、聞けば名にし負う大企業が政府の支援を仰ぎたいと堂々と名乗りを挙げている。人々の税金を自社の事業に取り込まねば存立も危ういというような企業が、果たしてその先の展望を見通せるのだろうか。政府の息のかかった電気製品の製造会社や不動産事業者っていったい何者だ。そういう会社に同業者を出し抜くような迅速な戦略が描けるのだろうか。




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