written by 田村 MAILHOME
#リベリオン・28日後。
2006年03月22日(水)

先日新宿へ行った際、タワーレコードで映画「リベリオン」と「28日後・・・」のDVDを買ってきた。

リベリオン」は以前からレンタルしたかったのだがなかなか見つからず、思わず買ってしまった。第三次世界大戦後、争いの元凶である人間の感情をプロジウムという薬によって抑制した世界が舞台。音楽や絵画など感情を揺さぶる物は持っているだけで法違反となり、感情違反者「クラリック」に取り締まられる。本作品は、クラリックであるクリスチャン・ベール演じるジョン・プレストンが主人公で、些細な手違いでプロジウムを打ち忘れたプレストンが感情に目覚め、感情を規制した世界を統治する「ファーザー」に反旗を翻す、と言うもの。

ストーリーはいたってシンプルで、ともすれば退屈なものだが、この作品で目を見張るべきは2点。

まずはプレストンが感情を取り戻していく描写。作品冒頭の映像はモノトーンな色調で統一され、鮮やかな色調は一切出てこない。しかしプレストンが感情を取り戻すに従いスクリーンの色合いは増し、鮮やかなものとなっていく。レジスタンスのアジトで第九を聴いて衝撃のあまり涙を流したり、モノトーンの街を照らす鮮やかで強烈な夕日に衝撃を受けたり、感動的な描写が数多くある。

2点目は、それら静的な場面とは対照的に描かれる「ガン=カタ」と呼ばれる格闘術を駆使したアクションシーン。クンフーに射撃術を組み合わせたようなものだが、とにかく派手で最後には見得を切ったりもして、下手をすればデスペラード級の馬鹿アクションになってしまいそうなのに、何故か非常に格好良いのである。マトリックスを思い浮かべる人もいるであろうが、こちらは動きがかなり計算されていて相当に面白い。

演技派をキャスティングしていることもあり、どのシーンも締まっていて、なかなか楽しめる作品。もうちょっとガン=カタのシーンがあっても良かったかな。


28日後・・・」は以前レンタルして観ているのだが、あのダッシュするゾンビ(本当はウイルス感染者だが)と、誰も居ないロンドンの街並みやロードムービー風な映像が忘れられず、思わず買ってしまった。相変わらずゾンビのクセに元気が良い。
何度も書いてしまうが、やはり主人公が病院のベッドから目覚めた後、荒廃したロンドンの街中を彷徨い、自分が眠っている間に何が起きたのかを思い知らされるシーン、そしてそこで流れる音楽が、絶望感を沸き立たせて非常に良い。
この作品、映像もさることながら、使用される音楽も素晴らしいものが多い。終盤、主人公vs軍vsゾンビのシーンは、陰惨な場面もあるのだが、廃退的なBGMのおかげで、陰惨というより物悲しいシーンのようにも受け取れる。しかしながらエンディングは割とあっさりでからっとしているのも印象的(もうひとつのエンディングは除いて)。


両作品とも結構な低予算で作られているはずなのだが、撮り方でうまくまとめているなかなかの作品だと思います。気になった方は、ぜひどうぞ。




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