written by 田村 MAILHOME
#風邪とゾンビ映画
2004年11月28日(日)

風邪を引いた。
喉が痛い、とにかく痛い、死ぬほど痛い。会社で風邪が流行っており、知り合いも風邪を引いており、引かないほうがどう考えてもおかしいのだが、案の定引いてしまった。幸いだったのは、週の後半だったため、仕事にさほど影響がなかったことぐらいか。会社で一名、ひどい感染者がいて、今にも死んでしまうのではないかというぐらいのひどい咳をしており、当然の結果ながら感染者は一人二人と増えていったのだった。心の中では何度も「マスクぐらいしろ!!」と怒りをあらわにしたものだったが、紳士である私は表に出すことは控えさせていただいた。別にビビッてるわけではない。


そんなわけで、土日はおとなしく家に引きこもり、レンタル映画鑑賞会と決め込んだ。借りてきたのは「マトリックス・レボリューションズ」「ドーン・オブ・ザ・デッド」「28日後・・・」の豪華三本立て(ゾンビ映画二本立てとも言う)。


マトリックス・レボリューションズ
1作目、2作目とも既に見ているが、その内容なぞ既に忘却の彼方である。なので、前作の途中から、そして冒頭から固有名詞がじゃかじゃか出てくる今作など、理解できるはずもない。見終えて印象に残っているシーンといえば、大の大人がラストに素手でボコり合うシーンぐらいであった。実写版ドラゴンボールZ。


ドーン・オブ・ザ・デッド
スピード感満載のゾンビ映画。そのスピード感の源はゾンビである。昔のゾンビと違い、この映画のゾンビは平地だろうと芝生だろうと下り坂だろうと、とにかく全速力で追いかけてくる。

劇中、ゾンビの襲撃を受けた仲間が瀕死の状態で主人公たちと合流したもののそのまま絶命、ゾンビ化して主人公たちに襲い掛かるという、ゾンビもののお約束ともいえるシーンがある。

従来の映画であれば、

ゾンビ化した仲間がゆっくりと起き上がる

驚く主人公たち

ノロノロと襲い掛かろうするゾンビ

ためらいながらも射殺

となるが、本作の場合、

ゾンビ化した仲間がゆっくりと起き上がる

驚く主人公たち

猛ダッシュで襲い掛かってくるゾンビ

迷っている暇なく射殺


ゆっくりとした復活と全速力で襲ってくるその対比は、本当に恐ろしい。バイオ・ハザードのやる気なくガクガク言いながら襲ってくるゾンビどもとえらい違いだ。

正確にはゾンビではなくウイルスか何か、その原因も判明していないのであるが、日常がほんの数瞬で崩壊する導入、立てこもった先での人間模様、最後の脱出(バスで突撃)など、緩急つけられており見ていてダレることがない。ただ、結末は個人的にはあまり好きではなかった。


28日後・・・
何を思ったかゾンビ映画豪華二本立てである。ドーン・オブ・ザ・デッドが、原因不明のままゾンビ化が進む世界の中での出来事であるのに対し、こちらは原因はウイルスによる感染とはっきりしており、世界中でゾンビ化がある程度進行してから(28日後)が舞台となっている。二作続けて観たため、

ひょんなことからウイルス漏洩
(28日後・・・)

世界中に感染が広がっていく中でのサバイバル劇
(ドーン・オブ・ザ・デッド)

世界が崩壊した後のサバイバル劇
(28日後・・・)

という具合に、2作の時系列が頭の中で一緒くたになってしまった。結構丸く収まるんじゃないか。

こちらもスピード感溢れるゾンビ映画で、ゾンビは全速力で襲い掛かってくる。そしてやはり速い。最近のゾンビは死んでいるにもかかわらず活きは良いようだ。ちなみにゾンビ化もスピード感に溢れており、感染から10〜20秒でゾンビ化する。生きた状態でゾンビ化って、ゾンビじゃないじゃん!と思ったものの、そもそもゾンビではなくウイルスであるということをすっかり忘れてたとです。

主人公が目覚め、無人の街を彷徨い歩く導入は美しい。そしてBGMのロックンロールも素晴らしい。エンディングもこちらのほうが好み。

ゾンビ映画二本はいずれも生存者と合流するシーンがあるが、その描写が大きく違う。ドーン・・・は非常に猜疑心に溢れ独善的であり、他人の命より自分の命を優先させることを主張する人物が多いが、最終的には絆が深まり、協力し脱出しようとするのに対し、28日後・・・では出会いでは皆一様にウェルカムであるにもかかわらず、最終的に仲間割れを起こすなど、入り口は広いが出口は狭いというか、行きはよいよい帰りは怖い、といった具合である。極限状態に置かれた人間の描写としてさてどちらがより近いか、といったところだが、いずれも極端な描写がなされているので、感情移入は少ししにくい。

また、この手の「ある極限状態に置かれたときの人間の本性」と言うテーマは、サバイバル映画に付き物なのだが、実はものすごく苦手なので内心うげーと思っていたのだ。このテーマが無いサバイバル映画など最早サバイバル映画と言えないので本末転倒なのだが、やはり苦手なものは苦手であり、暗い感情にさせられるのであり、うげーである。しかしそのうげーを乗り越えるからこそエンディングが引き立つのであり、それが「28日後・・・」なのである。ドーン・オブ・ザ・デッドは好みではない。しかしうげーなもんはうげーである。とにかく、いずれともうげーではあるがなかなか見応えのある作品でもあるため、機会があったら是非皆様も御覧あれ。


などと、休みの朝8時からゾンビ二本見ていたため、若干風邪が悪化したようだ。むむむ、頭が痛い。スターシップ・トゥルーパーズでも借りてこようかしら。余計頭が痛くなりそうだ。




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