written by 田村 MAILHOME
#たまちゃん
2002年09月01日(日)

鶴見川で神出鬼没中のアゴヒゲアザラシが大人気なのらしい。 という報道を、某報道番組でやっていたので、恐らくそうなのであろう。

アザラシが出没しているというニュースは以前から知ってはいたのだが、まともに報道を見たのは初めてであった(多摩川で現れたので「たまちゃん」と命名されたのも本日知った)。

たまちゃんを一目見ようと集まる人、報道と称して集まる人、便乗してグッズを販売する人。

番組ではそういった映像を流し、「たまちゃんをはじめとした人間社会に迷い込んだ動物は、時として現代人の鬱屈した生活に癒しを与える効果がある」としていた(ご丁寧に専門家らしい方のコメント付きである)。

うムム、こういう報道は、非常に苦手なのである。いかにもな映像、いかにもなBGM、そしていかにもなコメントと使い古された感のある現代社会にこじつけた結論、どれを取っても鳥肌が立ってしまいそうなのだ。

 

要は、動物は迷い込んだだけであり、我々はそれを見かけただけである。

 

動物で癒されるのであれば、もっと身近な動物を見て癒されれば宜しかろう、犬猫などそこらじゅうに居るではないか。何ならおさわりもオッケーなのである。

「別にただ見て癒されているだけなんだから、そんなに目くじらを立てなくてもいいのに」と思われる諸氏も居られるであろう。仰るとおりである。私は別に、アザラシを見に集まることについては問題とはしていない。

しかし、マスコミがこういった出来事を半ば強引に「現代社会の問題」に結びつけ、「今我々の社会は病的な状況にあり、よって癒しを求めるのは当然」といった刷り込みとも言える報道を行うことには違和感を憶えるのだ。それほど我々や社会は病んでいるのか?そういった穿った見方をする私がおかしいのか!?報道の良心は一体どこへ行ったのか!給料上げろ!

 

「たまちゃんかーわいー」とテレビの前にかじりついていたのは内緒である(庶民の振りも大変なのだ)。




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