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■ 新連載!星降る夜に君にふれれば 1
■ prologue ■
「いい加減にはなれろよ!」 「やだ」
まるで言葉遊びをしているような会話にいいかげんうんざりする。暑いにもかかわらず、余計にぴったりとくっついたまま離れようとしない辺りに新しい怒りが湧いて来る。全く!どうしてこんなふうに自分にくっつきたがるのか理解できない。しかも、幸せそのものの顔で微笑むから突き放す事もできない。何かうまく自分は載せられているようにすら思えてくる。 ……当の本人は全くそんな事気にしていないのであるが。
『変な約束などしなければ良かった…ッッ!』
と、数えるのがイヤになる程のため息をまた一つ漏らすシリウスであった。
夏休みが始まるという前夜、帰省に向けてあちこちで荷物整理が行われていて。もちろん例外なくシリウス達も行っていた。ジェームズは今年は前からしたかったと言う研究に明け暮れるらしいし、ピーターはコッヅウォルズの別荘で静かにすると言っていた。自分は…きっと今年も変わり映えなく、屋敷で家庭教師に終われる事になるのだろうなと思っていた。 その矢先。
寂しそうな顔をして、リーマスがこちらをじっと見つめていた。そっと近寄って『どうした?』と尋ねると、無言のまま頬に掌をあててきてそのまま薄く微笑む。
『どうしたんだ?』 『…君に会えなくなるんだね。』 『!?たかが夏休みの間の一ヶ月だろう?』 『一ヶ月は僕には長いよ。』
珍しく本気でショボンとしている目の前の友人に同情したのがそもそもの始まりだった。可笑しくて笑いそうになったけれども、自分に好意を寄せているこの友人を無下には出来なくて。ふと、本当に、あまりにも悲しそうな顔をするものだからほだされてしまったのだと今なら言える。
『…じゃあ……』
課題のレポートが全部終わったらうちに招待してやる。もしくはお前の所に招待されてやる。
なんて言ってしまった。いつもの彼は課題レポートもすぐに済ませようとはしない。自分の好きな教科は食い付いて勉強するクセに、その他の事は頓着しないと言う恐ろしくゴーイング・マイ・ウェイな性格なので、差程重大な事になるとは思わなかったのだ。 リーマスがぱぁぁ!っと目を輝かせて、『約束だよ!』と嬉しそうな顔をしたままぎゅっと手を握りしめてきた。全くゲンキンな奴だなぁと笑った。(きっと夏休みの終わり頃に少し付合うだろうな…)程度にしか考えていなかったのである。 それがどうだ。イキナリ、主義主張のベクトルを方向転換してきた!オマケが付いたくらいで勝手にスタンスを変えるな!!とその素直な性格に唸らずには居られなかった。 そう。 現実は驚きの連続だった。
まず、帰省して一週間も立たないうちに手紙が来た。まるで嬉しそうにニコニコしているのが書面から分かるような感じで『終わった』と綴られている。吃驚したもののここまでは微笑ましく思えた。思わず苦笑したくらいだ。そのくらいには心の余裕がまだあった。 …そのまま読むと第2波に襲われた。 『リーマスの家へ来いと!?』
狼人間のリーマスだったが、ホグワ−ツの安定した生活によって安心を得た両親を旅行に送りだしたと言うのだ!!
『唆したの間違いだろう?』
本気でそう突っ込んだ。言外にリーマスのやる気と考えていることを感じた気がして気恥ずかしくなった。けれども、何を言ってもどんな事でも元々自分で言い出した事だ。嘘はつきたく無いし、破るような事はしたく無い。 ……撤回は出来ない。
しかし。
これから起こる生活を思って思わず身震いしてしまった。 『何が起こるのか分からない…』
かくして、こうして秘密の夏休みが始まったのだった。
TO BE NEXT!
■はい。いきなり新連載開始です。(苦笑)いやぁ、何となく夏休みネタを描きたくなったんですよ〜。いいね、リ−シリ夏休み!!これから二人の秘密の日々が始まる訳なのです。まぁ、これは他の連載中の長編とは違って比較的短期で終わります。いや、まぁ、……ねぇ。(ニヤリ)途中から裏行きかも知れないけれど。(オイ!)まぁ、毎日少しづつちまちまとやって行きます。 夏休みのある方。いかがお過ごしですか?ヤマダは毎日図書館でバイトなので(もう職員並みに働いていますよ。マジで。)夏休みをまだ甘受してません。っつーか、むしろ休み無し?(…しくしく)9月一杯は休みなので、勉強しようと思います。あああ!卒論もあるし、もう一度契約法をおさらいしないと!!とやる事山積みです。(苦笑)もちろんマンガも描かないと!(そこか!) まぁぼちぼちとやってイキマスのでお楽しみに〜! 生爪を一本剥がしてしまって、キーボードがうまく打てないヤマダでした!!痛いヨ!!!!(本気)
2002年08月14日(水)
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