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昼間の一人でいる時間帯はなんとか我慢もしていたのだけど、 もうすぐ子供達が帰って来るという時間になって やっとエアコンのスイッチを入れた。
昨年の夏、涼しいはずだと信じて帰宅した息子が 部屋に入った途端、あまりの暑さに泣き出したこともあったから。 どうせすぐに遊びに行くのだろうけど、ちょっとだけでも 涼しい風に当ててやりたかった。
で、娘が帰宅してまだランドセルさえ下ろす間も与えずに私は尋ねた。
「今日のリコーダーのテストどうだった?」
にやりと笑いながら娘のピースサイン。 どうやら合格点は貰えたようだ。
「ひゃほ〜! やったやった〜」
強引に娘の手を取り、大振りの握手を・・・ どうやら娘自身より私の方の喜びの方が大きいようだ。
なんでも、テスト前に音楽専科の先生が言われたそうだ。
先生は上手に吹くことなど望んでません。 正しい姿勢で、リズムをとって、一生懸命吹いた人は不合格にはなりません。 お家で練習をしてきたかどうかは、ちゃんと聴けばわかります。 努力をした人はちゃんとわかります。
娘の言葉を聞きながら、涙が出そうになった。 そうさ、娘は努力をしたから正当なる「合格」を頂けたのだ。
本人も言うとおり、完璧には吹けなかったとのこと。 だけど、朝の登校前にも復習をして出かけたし 休み時間にも練習したらしい。 その甲斐あって、昨日よりピーと上擦った音が減っていたらしい。
そして、吹き終わった時先生から 「ちゃんと音符の長さが合ってたよ」とお褒めの言葉も頂けたらしい。
やった。と私がガッツポーズをするものどうだろうかと思うけど あれだけ何度も何度も鍵盤ハーモニカで聴かせたんだから 楽譜なんて見なくても、音符の長さとリズムは完璧に近いものがあったはず。
喜びに浸っていると、娘はだんだん雄弁になっていく。
「隣のお友達にね、教えてあげたんだよ。 ほら、ママから教えてもらったアレ。 ただの丸が一つしかないのは音符の王様で4つ数える(全音符)。 縦線がくっついてるのは2つ数えて(二分音符)、 それに点がくっついてるのは、おまけの1がついて3数えるって・・ でね・・・小東風ちゃんすご〜いって言われちゃった。」
ま、まあいいんだけど、そんな付け焼き刃の知識を よくも知ったかぶりできるなと感心。 ただ4つとか3つとかっていうのは曲によって違うから それをそのまま覚えておいてもらうとちょっと困るかも。
でも、昨日練習したことは娘にとって 私にとって、本当に有意義なことだったと思う。 努力をすれば報われるということを、肌で感じてくれたようだ。
それにしても、先生の大きなお心に感謝。 正直言うと、もし不合格だったらどうしようかと心配をしていたから。 「一生懸命練習したってダメじゃん。」なんて思ってほしくなかった。
で、さりげなく訊いてみた。 「何人くらい合格したの?」
「え〜っと、笛を忘れた人が一人不合格だったかな」
そ、そーよね。 やっぱりそーよね。 娘が合格だったんだもの、やっぱりそーよね。
「さあ、今日も練習しよっか」
そのためにエアコン入れたわけだし、私はもうやる気マンマン。
「あっ、リコーダー忘れてきちゃった」
やっぱりね。そーゆーことよね。 これでちゃんとオチになったよ。 母はちょっとだけ淋しいけどね。
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