たそがれまで
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2004年06月04日(金) 片おしどり




テレビを見ていたら、相変わらず長崎の事件が大半なのだけれど、
一瞬で画面が変わって、一人の女性が映し出された。

イラクで襲撃されたフリージャーナリスト橋田信介さんの奥様
幸子さんの会見だった。

まだ情報が錯綜している時に受けられたインタビューでも
はっきりと受け答えをしておられたが、
昨日拝見した映像でも、奥様はとてもしっかりとした口調で
現在の心境や現状などを話しておられた。


「(遺体は)ひどい状態だったが、すごくいとしく感じた」

「生前、何かあったら迎えに行くからと約束していたが、
 その約束を果たせて良かった」

そんな趣旨の発言をされていたと思う。
そして、

「結婚して27年、とくに子供が産まれてからは
 とても幸せな生活をさせてもらった。
 ありがとうという感じです。」


不謹慎かもしれないが、とてもお綺麗だった。
稟とした美しさ。

27年の結婚生活で積み上げられた信頼と愛情が
見ている私達にも伝わる会見だった。




相手を信じて、信頼も受けて
例え離れていても同じ時間を過ごしたお二人。
だからこそ一緒に居られる時間は貴重で
密度の濃い時間を過ごされてきた筈。

そんな自信が
あの言葉に、
あの笑顔に結びついているんだろう。


羨ましいと言ったら、不謹慎すぎるだろうか・・・




先日亡くなった私の祖父と先だった祖母、
二人が過ごした70年間という時間も素晴らしいけれど
お二人の27年間も勝るとも劣らない。


私達夫婦も嫌でもいつか別れの日が来る。
その時、どんな顔でどんな言葉を発することができるのか。

穏やかな笑顔で送れるといい。
悔いのないよう送れるといい。

当然、私の方が長生きするという前提・・・
亡くなった祖父を見て尚更にそう思う。



ご冥福をお祈りします。

             合掌






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