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テレビ番組の特集で、400年前に豊臣秀吉が愛でた桜が クローン技術によって蘇ったというニュースが流れた。
京都の後醍寺にあるしだれ桜の組織を使い、 5年かかりでクローン桜が花を咲かせたというものだった。 クローンがどうのと云うつもりは全くないし、言えるほどの知識もない。
ただその研究の過程がいろいろと大変だったようで、 見ていてとても興味深かった。
最初の頃は、培養液につけてある程度育てた苗を地表に植え替えると 軒並み枯れてしまったという。 いろいろ検討した結果、ある園芸家の方の言葉で道が開けたらしい。
薔薇は冬を越さなければ花が咲かない。
桜も薔薇科であるから、冬の寒さが必要なのかもしれないと 一度低温の中で一定時間を過ごさせてあげたら、 今度は見事にスクスクと苗は育ったというもの。
桜は冬を経験しないと芽が伸びないのです。
培養液の中で常に25℃に保たれた環境の整った場所にいるだけでは 花をつけることができない桜。 四季のある日本だからこそ綺麗な花を咲かせられるという。
それに冬が寒ければ寒いほど、 花の色が濃くなるという話しも聞いたことがある。 最近の花が薄いのはやはり温暖化の影響だとか・・・
人も同じだなぁと思った。 環境の整った場所にいるだけでは大きくなれない。 悲しみや苦しみという冬を経験しなければ、心が育たない。 自分自身という綺麗な花を咲かせる為には 涙という栄養が必要なんだろう。
すごい人だなぁ、大きい人だなぁと 尊敬したくなる人と出会うと、その人の中にある冬の苦しみを思う。 決して表には見えないけれど、いや見えないからこそ 本当に大きな大きな人なんだろう。
私の花はどのくらい咲いているんだろうか。 後醍寺のしだれ桜にはほど遠い。 まだまだ苗木で蕾さえ付いていないかも・・・
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