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先日夫を亡くした伯母と電話で話した。 最期のお別れも言えなかったことを詫び、 伯母の体調のことや、世間話、 それから昔話などをした。
本当にあんたのお母さんは我が儘だったからねぇ あんたも苦労したねぇ
こういう類の言葉は、今まで何度も耳にしてきた。
養母は物をはっきりと言う人であったし、 自分の信念も曲げなかったし、 時には高飛車に見えたり、傲慢に見えたり とにかくそういう話題には事欠かない人だった。
実の姉からでさえ、そんな言葉を投げつけられる。
確かに、母は我が儘に見えただろう。 だけどそれは他人にそう見えただけ。 確かに、母は謝るということが苦手だった。 だけど心の中でどれだけそのことを葛藤していたか。
そんな姿を誰も知らない。 そんな弱さを誰も知らない。
入院後、母はことあるごとに私に謝った。
ごめんね、いっつも来てくれて ごめんね、リハビリもできなくて ごめんね、洗濯物がたくさんあって
そして、元気な頃にはなかなか聞くことがなかった ありがとうと続く
入院が長くなるとお見舞いも断っていたから そんな母の弱い姿を、 そんな母の優しさを、 他人にわかって貰う機会を逃してしまった。
もっとたくさんの人に逢いに来てもらえば良かったね。
今日、和菓子やさんで美味しそうな桜餅を見つけた。 母が大好きだった桜餅。 家族の分にプラスして、母の分も買って来た。 一緒に食べよう。 仏壇に供えているお茶を渋めに入れ替えるから。
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