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夕食後に突然の電話のベル まあ電話のベルというやつはいつも突然に鳴るんだけれど。
「ひさしぶりぃ」
甲高い声の主は夫の母。私にとって姑にあたる人だった。
「今月は東風ちゃんの誕生日だよねぇ。 プレゼント送るからいつ頃がいい? いつもの伊勢エビなんだけどね(笑)」
「いやいやいや、そんなお気遣いは無用ですのにぃ。」
そう云う私の声は言葉とは裏腹にウキウキしていた筈。
いつも思うのだけれど、姑はとても明るくてパワフルな人だ。 最近は近くのプールで泳ぐのが日課になっているとのこと。 話しているとこちらまで楽しい気分にしてくれるから 子供達も受話器の取り合いになる。
姑との会話も嬉しかったのだが、誕生日を覚えていて下さったということが 嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて。 おまけに私が伊勢エビ大好きなものだから、舅がわざわざ漁に出て下さる。 実家に伺った時にも、いつも山盛りになった伊勢エビが出てくる。 足の1本1本まで食べ尽くす私を、笑いながら喜んで下さる。
電話の最後に、今月夫が手術を受けることを告げると 息子の心配より私の苦労をねぎらって下さった。
「いやいや、ご自分の息子の方を心配して下さい。」
そう言うと「あらそうだった」 笑いながらそう答えた姑だけれど、本当は心配でたまらないだろう。
高校入学と同時に独り立ちさせた息子を どんな時にも信じている母。 子連れの人と再婚すると告げた息子を 快く了承した母。
夫は、決して私の愚痴を言いつける人ではないから 舅姑は私を過大評価していそうだけれど、 現在が幸せでいられるのは、あなた方の息子の力です。 そんな息子を育てたあなた方を、私は目標にしたいです。
送って頂く伊勢エビは、夫の退院後にしてもらうことにした。 私の誕生日もありがたいけれど、夫が健康になることの方が嬉しい。 そして、お二人がいつまでも健康で仲良く暮らして下さることが 夫と私にとっても幸せであるんだろう。
こんなふうに言葉で言えたらなぁ。 無理だとわかっているから、文字にしてみた。
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