台所のすみっちょ...風子

 

 

実録「そうだったのか・・」 - 2005年10月15日(土)

この前、旦那とマンションの説明会に行った時のことである。

まず初めに、担当者からの全体説明があり、

それが終わると各家族、司法書士と個別の打ち合わせになった。

私たちのテーブルに現れたのは、とてもそんなお堅い仕事を

しているとは思えないような可愛い女性。


和気あいあいと話は終わり、席を立たって歩いてゆく彼女の後ろ姿を見ながら、

旦那がふ〜と息を吐き、こっちが聞いてもいないのに、こう言った。

「びっくりしたよ〜。前の彼女にすごく似てたからさ〜」
「へっ?」

びっくりしたのは私の方だ。何故なら、彼が今まで付き合った女性は

写真などで顔も全員知っているつもりだったからだ。

「あんな人、君の元カノにいた?」と聞くと、

「うん、大学の時に付き合っていたやつかと思った。違ったけどさ〜」
「ウッソ〜、私知らないよ〜」
「うん、だっておまえには話してないもん」


彼が言うには司法書士の女性の顔は、

まさに16年の時を経た「元カノ」の顔と、想像の範囲で

ピッタリ一致するのだという。

だから、胸の名札の確認だけに意識が取られ、話の間中、どうやら

気もそぞろだったらしい。(なんだと〜〜〜!?)

さらに、彼はまたまた聞いてもいないのにこう続けた。

「ちなみにさ〜、その付き合ってた子って、おまえと同じ名前、同じ字」

私は再び驚いた。

「じゃあ、私と付き合い始めた時って、私の名前を呼びながら、
 その彼女のことが頭をかすめた?普通かすめるよね?」
「うん、思いっきりかすめた」
「ハハハ、そりゃそ〜だよね〜」

結婚して10年も経ったからそんなふうに笑えたが、

もし、付き合い始めの頃だったら、この私のことだ、

「ひどい・・」などと言いながら、細い肩を(当時はまだ細かった)

震わせながら、泣きじゃくっていただろう。


それにしても、人間と言うのはなんてお喋りなんだろう・・と思う。

「不都合があるから」と一生懸命、過去を隠していても、

あるきっかけで堰を切ったようにペラペラと話してしまう。


「ハァ〜、疲れた〜」と伸びをする彼を見ながら、

私も気をつけなくっちゃ、と思った。


おしまい。



...




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