台所のすみっちょ...風子

 

 

水の中 - 2005年10月08日(土)

昨日は11月に入るマンションの説明会だった。

説明会を終え、夕方、旦那と丸の内界隈を歩く。

日の落ちかけた街に並ぶのは、こじゃれたブランドショップや

オフィスばかりだ。

日頃、4歩も大股で歩けばすべての用が

足されてしまう、下町のアパートの一室にいる私には、

まったく遠い世界なのであった。


さて、駅に向かう途中、とてもきれいなオフィスを見かけた。

有名な外資系の証券会社であった。

ガラス張りで、壁には大型の液晶テレビがいくつもはめ込んであり、

映っているは海外の番組。

デスクや椅子もカツコイイ。絶対イタリア製に違いない。

中で働く人は首から、私が以前から憧れている社員証をぶら下げ、

服装は業界人と見間違うほどスタイリッシュだ。

この調子で行くと、オフィスの中は洋楽も流れているに違いない。


しかし、なんといっても私を驚かせたのは、

オフィスの中に巨大な水槽があったことだ。

割烹の生け簀を想像してはいけない。

中で泳いでいるのはとれたての鯛とかウナギではない。

ブルーのクリスタルな光に照らされた水槽は、

テレビと同様、壁はめ込み式。

中に泳ぐのは、もちろん熱帯魚である。水族館のようだ。


それにしても、何故、証券会社にアクアリウムなのだろうか?

社員の癒やしとして置いてあるのか?

それは、刻々と変わる株価を追う日々が、彼らにストレスを

ためさせるからなのか?


私がオフィス街という場所に通わなくなって6年になる。

この年じゃ仕事はかろうじてあっても、あんなお洒落なオフィスに

デスクを構えるのは無理である。

私は水槽の中の魚たちに聞いてみたかった。

「どうやってそんな一流企業に就職したのですか?コネですか?」




おしまい。


...




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