夫婦別姓 - 2004年03月26日(金) 国会での夫婦別姓に関する審議が見送りになった。 もうすっかり結婚して夫の姓を名乗ってしまって いるので、どうでもいい話なのだが、 「別姓」というこの言葉を聞いて、私は父のことを思い出した。 父は子供に対してとても不器用な人だった。 どう接していいのか分からない、、という感じだった。 子供に何をどう告げ、どう諭していいか分からず、 彼はいつも怒鳴っていた。 無邪気に父親に甘える友達たちが、私はいつも羨ましかった。 父は私のことなど好きではないんだ、と幼い私は思っていたし、 その思いは大人になっても変わらなかった。 私が大学3年から4年になる春のことだった。 卒業したら、新潟に戻ってもいい?と聞く私に 彼はかたくなに首を振るばかりで、どんなふうに 言ってみても駄目だった。 たぶん父は軽率でバカな娘を、東京という土地が 鍛えてくれることを望んでいたのだと思う。 結局、私は東京で就職した。 けれど、それから8年ばかりがすぎた日。 2人きりの車の中で、帰省していた私に父がぽつりと言った。 「彼はうちの姓を名乗るのは嫌なのか・・?新潟に住むのは いやなのか?・・・新潟も・・いいところなんだがな・・」 私はあの時の、いつもの父からは考えられないほどの 遠慮に沈んだ声を忘れない。 「新潟もいいところ・・」 父の声はかすれていた。 帰っておいでと言われたような気がした。 その日は、結婚を許してもらうために、 夫がはるばる東京から父に挨拶に来た日だった。 普段は私や妹に「おまえ達は女だし、この家は継がなくてもいい」 と言っていた父だったのに。 もしあの時、夫婦別姓という制度がもう出来ていたら、 あんな父を見ることはなかったんだなぁ〜と、 私は今、ぼんやり思うのだった。 おしまい。 ...
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