台所のすみっちょ...風子

 

 

食虫植物 - 2004年02月17日(火)

私のバイト先にはAさんという女性がいる。

彼女は40前半で、とっても若々しい。

鮮やかに染め上げた栗色のショート。褪せたジーンズに

スニーカー。背筋の張った姿勢。

顔の様子も、頬骨の高い位置にチーク、唇にはグロスという、

流行のメークそのもので、特に目には相当力を入れている。

「どんな細毛も逃がさないわよ!」と、

上下のまつ毛一本一本にきっちりとつけたマスカラ。

まばたきするたびに、ばっさんばっさんと動く様は、

葉を形取るように腺毛がついている、ハエトリ草を彷彿とさせるほどだ。


そして、今、私はそんなAさんに対して、何かこう・・言い知れない

恐怖を感じている。

何故なら昨日、彼女と立ち話をした時、

「ねえ〜、今度飲みに行きましょうよ〜。
 あなたの携帯の番号は、事務所でメモって知ってるから、
 メルアドの方教えてよ」

と、言ってきたからだ。

私は驚いた。勝手に?と。

ちなみに彼女は事務所内にある、そういう個人情報を

見れるようなポジションではない。

なのに、どう見たのか勝手にメモまでとるとは・・。

普通、私に断りを入れてからではないのか?

私は言葉を失い、固まった。

けれど、

「ハイ!これ私のアドレス!メールしてね!」と

彼女はまったく悪びれた様子もない。


実はこれと似たようなことが、去年の12月にもあった。

退院後、バイトに復帰してまだ間もない私が、

受付周りの準備をしていると、

「まぁ〜!もう具合はいいの〜?」と心配そうに彼女が駆け寄ってきてくれた。

大丈夫だと話すと、支配人しか知らないはずの私の病名を挙げ、

彼女は私に

「顔を見ないと思ったら、入院しているって支配人が言うじゃない。」

と話し始め、

「私、あなたのことが心配で心配で、病名はなんですか?って
 聞いたのよ〜。」

と笑みを浮べ

「なかなか教えてもらえなくてね〜。でもしつこく
 教えてください!って聞いたのぉ〜。心配だったから」

と言って私を驚かせた。

その当時、私と彼女は「お疲れ様でした〜」と挨拶のみのお付き合い。

ハテ・・?個人のプライバシーを無理やり知りたがる意味とは・・?


昨日のことといい、年末の術後の時といい、Aさんは

何故私に近づくのだ!?何故!?


こうして、パソコンに向かいながら、

私は昨日のAさんの顔を思い出さずにはいられない。

ニヤリとした笑みを見せ、

マスカラべっちょりの腺毛、、いや、、まつ毛に覆われた目を

開いたり閉じたり、パッタンパッタンとまばたきさせながら話す彼女を。


いつか、、挟まれて・・

く、食われるかもしれない。




おしまい。


...




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