ジ〜っとオヤジ - 2002年08月07日(水) とある下町の昼下がり。 この暑さで溶けてしまいそうなので、 大好きなドトールで茶を一杯。 ついでにべーグルサンド・ベジタブルも注文する。 席に座り、そのベーグルサンド・ベジタブルを食おう とあ〜んと口を開けた瞬間、斜め前の 席のオヤジと目が合ってしまった。 すると「ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」 自分で言うのも何だが、思いっきり口を 空けていたので、かなりのマヌケ面だったのにも 関わらず、オヤジは微笑むでも眉をピクンと動かす でも、ましてや目を反らすでもない。 ただ、じーっと私を見るのみ。 そう「ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」 オヤジは少し社会に疲れているように見えた。 汚れたヨレたシャツに、これまた汚れた半ズボン。 鼻緒の当たりが切れそうなブルーのビーチサンダル という出で立ち。 テーブルの上には、空のグラス。 すっかり飲みきった後、かなり時間がたったと 見えて、中には氷も残っちゃ〜いない。 周りには本やら、タバコやらの持ち物らしきもの もない。 鼻をかんだり、鼻毛を抜いたり、尻をかいたりもしない。 あくまで「ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」 きっと、ずーっと何もせずここにいるのだろう。 私も暇だが、オヤジはもっと暇な様なのだった。 こういうオヤジは私にとって要注意である。 何故なら、普通の男には評判が良くない私だが、 この手の”いっちゃった風”の男性にはウケがいい。 フラ〜っとやって来られては、意味不明の 言葉を囁かれたことも一度や二度ではない。 で、もっとひどいと股間の間から、 ”ブツ”を見せられちゃったりする。 きっと私達の間には何かあるに違いない。 たぶん赤い糸とか。 相変わらずオヤジはピクリともせず、 私を見つめている。 う〜ん、困った。 話し掛けたり、”ブツ”を見せるのは、 この大好きなべーグルサンド・ベジタブルを食べて からにして欲しい。 私はオヤジがいつ席を立ってこっちに来るのかと、 ドキドキしながら、猛ダッシュで べーグルサンドベジタブルを食べ進めるのだった。 そんな私をオヤジは「ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」 飽きもせず「ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」 どこまでも「ジ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」 おしまい。 ...
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