台所のすみっちょ...風子

 

 

花火ドーン!わきがドーン! - 2002年07月26日(金)

外で飲み会の予定が、急に旦那に帰って来られること

になってしまい、一応慌てて夕飯を作るフリをする。

すると、おや?なにやら外で、

どーんどーーーーんという音がする。

太鼓かい?いや、そんなバナナ、とベランダに出て

調査開始。

あっ、今日は荒川の花火大会だったのね。

うちのベランダからもバッチリ見える。

わあ〜!花火じゃん。夏やね〜、と私が言いかけると、

そのセリフの「ね〜」を言い終わるか、終わらないうちに、

すさまじい歓声と拍手喝采が聞こえてきた。

すでにベランダに出ていたと思われる隣りの住人だ。

奥さんも子供もワ〜、パチパチパチ

言い方変えれば、老いも若きもワ〜、パチパチパチ

と声は出すは音はさせるわで、

「幸せなら手を叩こう〜・・幸せなら態度で示そうよ〜・・」

でおなじみの坂本九の歌みたいな家族である。


悔しい、なんか負けている。


しかし、いくらなんでも私一人で隣りのように、

キャッキャッと上へ下へと騒ぐワケにもいかず、

防音サッシを寂しく閉めた。

ガラガラガラ・・・・・・・・・。

それでも、ちょっとは見たもん。これでヨシとし〜よおっと、

と気を取り直し料理を再開。すると今度は電話がなる。

「置き薬の○○ですが〜、これから集金に

お伺いしま〜す!」ときた。

払いたくないが、払わないのも大人げないので承諾する。


そして10分後、その50すぎのオヤジはやって来た。

しかし、この前は春先でまだ涼しかったので・・

・・・解らなかったが・・・・・・・・・・、

すごかった。もう、死ぬかと思った!


ドーンと鼻を突く”わきが”の臭い!


マンションなのでその通気性の悪さから、

そのこもり様は尋常ではない。

わきがオヤジはそんな自分が発する臭いに気づかない

のか、薬の説明を丁寧にしていく。

この臭いさえなかったら、暑いところ、こんな夜に

来ていただいたんだもの、茶の一杯でも出したいぐらい

だが、思わず口がフンガァ、フフンと歪んでしまい

しゃべるのも容易ではない非常事態である。

意識が遠のきそうな10分間。

「わざわざ(わざわざ来るのがこの人の仕事!)

ありがとうございます・・。」

と一応、感謝の気持ちで礼を言って送りだしたが、

帰っても、まだいるような錯覚さえ覚える。

これが”残り香”ってヤツなのね。

玄関入ってすぐ左にある洗面所の換気扇を

つけながら私は固く決心した。

今度から彼を「わきがドン」と呼ぼうと。


(でも、わきがは本人のせいじゃない・・。

こんなコト書いてちょっと、反省・・。

いい人そうだったし・・・。)

                      おしまい。


...




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