(M,m,えむ) 2005年03月25日(金)
緑ちゃんは小さな女の子で、口癖は「あたし絶対〔 〕になるの」 だけれど口が回らないので〔 〕が繭なのかマムなのか全く別の 何かなのか、聞き取れたためしがないのです。 いつも緑色の服を着せられている緑ちゃんの家の、二坪ほどの 小さな庭には梅の木があって、その下にはムラサキシキブやドクダミ やリュウオウノヒゲやフウセンカズラがみっしり植えられていて、 その上にヒルガオとヒョウタンの棚がふたをしているのですけれど、 緑ちゃんに緑色の服を着せる緑ちゃんのママは、まだまだ植える気なのでした。 緑色のジャングルの中で緑ちゃんは小さな蛙のようで、 うっかり見失ってしまわないかいつも不安になるのでした。 雨がわんさか降って町中が熱帯雨林のようになったその年、 緑ちゃんのママが新しく植えたスイカズラの匂いに酔ったきり 私は緑ちゃんを見てはいません。 |
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