あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
(その2) 2004年09月09日(木)


ど だ だ
 どぅ だぁ だぁ あ

 うちならす
 手のひらを打ち鳴らす、音
 湿った土を 千本の腕が叩く
 ぬかるみから
 伸び上がりながら

  だ だ だ

  だん

 あしたの色
 あさっての色
 まだ見もせぬ色を
 思い出そうとするな
 きのうも
 おとといも
 おととしの色も
 この静脈の内側に
 あるではないか
 
   ある ではない か

 雨は
降りそうにない
 雲がひらかれてしまえば
 見えるだろう

 みえてしまう
 (ので)
 踏みつけて、あるく
 骨の折れるおとを聞きながら
 あるく足のしたで

  だ だ だ
   だん だん だん 
 
   てのひらは鳴らされる
    打ち鳴らされる
    その 音は

 ぬかるみの底の
 明日のことを
 思い出させようと
 響いている      
 

  

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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe