今日もガサゴソ
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2002年11月17日(日) アヴォンリーの住人

「赤毛のアン」シリーズ、モンゴメリー著(新潮文庫)

子供向けの絵本や児童文学全集、更に、少年少女向けの抄訳という
かたちで度々赤毛のアンに出くわしました。

孤児という想像すると涙ぐんじゃうような境遇でありながら
激しい癇癪持ちという、日本では滅多にお目にかかれない
キャラクターが強烈で、私は今でも「アンが好き」とは言えないのよ。

でも、この物語に描かれている風景やごく普通の人々の
生き生きした生活や交流が
切々と胸に迫って、このシリーズを何回読み返したかわかりません。
ページがポロポロ外れてきた巻もあります。

シリーズとして改めて読む気になったのは
学生の頃世話になった恩師がアンを愛していたからでした。
四十過ぎた国文学の学者が愛し続けるほどの魅力が
どこにあるか知りたくなったのです。
先生はシブシブ、でも嬉しそうに貸して下さいました。

一巻ずつ。

「お前にいっぺんに貸したら学校に来なくなるからな、きっと」

まさか、そんな、本を読むため学校サボるなんて、
アンのためにそんなことはしないけど、でも
これが、はまってしまって。
次を読みたいけれど、この本を返したくない!ってんで
ニ三回読み返してから次を借りることになってしまいました。

また読みたかったらいつでも貸してあげるからと
先生は仰るのですが、
借りた本はとにかく落ち着かないので、
夏休みにアルバイトして全巻揃えました。

就職して、配属になった職場の指導担当も
四十歳のイケてるおじさんだったけれど
「アンを愛している」ので意気投合!

結婚してから、枕元に積み上げて毎晩読みふける私の横で
亭主まで読み出してしまいました。

亭主に面白かったのかと尋ねると
小さな声で
「アンが可愛かった」とのたまうではないか!

そういうことだったのね、おじさんたち。


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