今日もガサゴソ
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2002年11月12日(火) 本が頼りだった 1

小さな頃は文字なんか面倒で関心がなくて
小学校に上がるときに、
自分の名前がちゃんと読めるかどうかも
怪しい子供でした。

本人は至ってのんきで
きちんとひらがなが読めるようになるまで
教室に最後まで居残りさせられたけれど
優しい先生を独り占めにしたような満足感で
ウキウキしました。
帰宅してから嬉しいお勉強を母に報告して
激怒されミッチリお仕置き!

そんな調子なので
本が好きになるなんて考えたこともありませんでした。

小学校三年のころ授業のなかで
学校の図書館を利用できるようになったのですが
絵本にしか手が伸びない自分に気付いて
愕然としたことを覚えています。
どの本を選べば良いのかわからず
仕方なしに、偉人伝を片っ端から読み始めました。

あるとき同じクラスの女の子が
すっと差し出した本がありました。
「他の人には読んで欲しくないくらい、おもしろいの」

それがトーべ・ヤンソンの
「楽しいムーミン一家」でした。

これが、本当に楽しかったんです。
不思議な雰囲気の世界に遊びに行くみたいに
のめりこみました。
弟と一緒に楽しみました。
返却したあと、弟が一度借りてきて
そのあとは二度と借りられませんでした。
人気があったのでしょう。
そして、学校の火災で図書館は焼け落ちてしまいました。

その頃から
物語を楽しむようになっていましたが
自分を本好きだとは思っていませんでした。
課題図書や教科書が大嫌いだったし
他に楽しいことはいくらでもあったんだもの。







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