めぐたれ暦。
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2002年09月09日(月)  >> 手づくりのキモチ。




実はめぐ

インスタントやレトルト食品を、あまり知りません。


と、ゆ〜のも

得てして使用しないようにしているカラなのデス。


なので多分

「冷凍チャーハンを炒めてみてくれ」

なぁんて云われてみたトコロで、おっかなびっくりで仕上げるコト間違いナシ。


カップやきそば製作の習得ですら、ホントにココ数年のおハナシですもん。





ウチは(めぐが)8歳で父が他界してからとゆーモノ、女手ヒトツで育ててくれためぐママの

センスの全てが裁縫に行ってしまったイキオイな料理下手のおカゲで


今、思い返せば

インスタントやお惣菜の食事がメインだったよ〜な気がスルのデスよ。



モチロン

19歳当時、大学生の身空で既に母親だった彼女の生活は多忙を極め

21歳には第2子を手にし、更に26歳には離婚が成立して親権を取り

昼夜問わない仕事に追われて食事の支度にマデは手が回らなかったってのがホントのトコ。



だケド

インスタントスープにしても、いろんな食材を追加してお野菜たっぷりにしてくれてたり

インスタントラーメンにしてみても、必ずカワイイかき玉子がかけられてたりしてたのね。


出来合えのお惣菜にしたって

キレイにお皿に盛ってくれてたり、付け合せなんかはちょっとこしらえてりしてくれてて

彼女なりの様々な工夫は、確実に目で見て取れたの。



ダカラコソ同じインスタント食品でも

めぐは結構な年齢になるまで、インスタント“カップ”食品を知らなかった。



そんなめぐがインスタントカップを覚えた頃には、ラーメンなんか生めん時代が到来していて


「ナンだこりゃ!?ウマ!!」


などと

家族の持病による食事療法で減塩食生活を強いられていて

アンチあじくーたー(オキナワ方言で“味濃い(っつか、“しっかりしてる”?)”の意。)な上に

あまりの薄味嗜好の為、一切外食が出来ないイキオイだっためぐりんが


その(めぐ的には)濃いながらもしっかり完成された味に、とてつもなく驚いたモノでした。





そんな時代を遥かに超越した現在では、実に様々なインスタント食品が展開されておりマス。


冷凍食品にしても、揚げ物なのに油を使わず調理できたり

カップスープにしても、パスタが入ってるのに別ゆで不要だったり

レトルト食品にしても、お湯も注がナイのにあったかいおうどんが出来上がっちゃってたり。


正に、チン♪時代の恩恵をひしと感じずにはいられません。





利用頻度が極端に低いめぐになんて、その品質の良さや利便性はワカラナイけれど


めぐはソレでも、手づくりを続けマス。



確かに

カツひとつ揚げるのを例にしてみても

袋から取り出して油に入れるダケで済む冷凍食品とは違って


お肉に切り込みを入れて、下味をつけて、カタチを整形して

小麦粉・タマゴ・タマには自家製の生パン粉やアーモンドにマデまぶしてから

やっと油で揚げられる。


面倒だし手間かかるし時間も必要。


だケドそれでも

手づくりならばきっと、より一層の愛情スパイスをふんだんに添えられる。

ずぅっと、そう信じてきたんだ。





こないだ

小・中時代の後輩で、高校時代のクラスメイト(ヤハリ謎。)なお料理上手のHりんに


「美味しいサータアンダギーが食べたい!

デモ売ってるヤツは油っぽいし、自分で揚げると上手に花が咲かないの〜ぅ。;」



と、名古屋マデ泣き言を云ってみた。



サータアンダギーとはオキナワの揚げドーナツみたいなモノで

サータ(砂糖)アンダギー(揚げ物)と直訳するらしい。


でもドーナツとちょっと違うのは

多分、基本的に丸まったカタチをしている所為。

そしてソレを上手に揚げていると、途中でボール状のカタチにヒビが入ってくる。



そのヒビ割れにもキレイに油が入り込んだら、花の蕾が開きかけたみたいな形状になる。


その現象を“花が咲く”と表現スルのだけれど、めぐはソレがずっと苦手なのだ。



さするとHりん


「でもちゃんと美味しく揚がってるんでしょう?

じゃあもうちょっと、お水を減らしてみればいーんだよ。あと、ほんの少ぅしだけ。


ケーキとかと一緒で、粉モノは水分が多いと膨張し難い。

だけど混ぜ過ぎると粘りが出るから、また余計に割れ難い。

花を咲かせているのは膨張力なんだから、あとは軽く混ぜさえすれば上手に揚がるよ」



と、教えてくれた。



そして


「美味しいモノって、結局アツアツや手馴れた人以上のモノなんてないよね。

同じようにこしらえてみたトコロで、所詮はオバアが揚げるアンダギーには敵わない。

だけど私はもっともっとこしらえて

いつか歳を取ったら、“名人”と言われるようになってやるんだ」



と、続けた。





ナンだか涙が出た。





ソレはめぐもそうだった。


あまり食事を定期的に摂りがちじゃないめぐは、時に「食事さえもシゴトだ」と叱られる。

けれど

おシゴトや義務やカラダを支える為ダケの手段なんかじゃナイお食事ならば

きっと美味しいモノの方がより元気になれると思ってるし

時間や手間を短縮して、適当に美味しくて利便性の高い食事を続けていくヨリも

失敗して交錯してアレンジしながら、ドジでも下手でも要領悪くても

自分の時間と手間をかけられる分ダケ、美味しいモノが出来上がるんだと思えるから。



ダカラめぐも


「いつかみんなが出来合えしか使えなくなって

そしていつしかソレが手に入らなくなった時が来てしまったとしても

めぐなら絶対に、ちゃあんとイチから作り上げられるよ〜でいてやるんだ!」



そう思って毎日を過ごしていた。





どんどん便利に簡単に使い捨ててくようになってしまった時代。


笑顔も愛情もその表現方法も、ナンだかヘンに大量生産されてしまったカンジさえする。





だけど


大切ななにかを手づくりで仕上げていくキモチは

模られたナニよりも、強くて優しくてあたたかいモノなんだと信じている。



例え、誰にも認められなくたって


自分の信じた真実ならば、いつでもココにある。




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◇◆◇ めぐ。
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