2002年07月21日(日) >> ヒトメボレ。
「あ。」
M嬢とプールで泳いだ後
近所のビーチ沿いにあるファーストフードショップに流れ込んだ時の事。
視界に
めぐの視線を捕らえて離さない男性が飛び込んできた。
「?」
あたしの異変を感じた彼女は
その視線を辿って行くと
彼女とは背中合わせだろうな位置に座る
ヒトリの男性に気がついた。
「!!!」
サスガ足掛け10年も傍にいると
状況に応じた嗜好も把握しているのか
彼女はあたしの興味の矛先から
即座に目を逸らした。
何故か
トテモはにかんだ笑顔で。
「・・・あんまり見るんじゃない」
「だぁって。ステキなんだもん・・・。」
あたしは既に
彼の存在が気になって仕方がなかった。
偶然にも夏祭りが行われていた
普段ヨリもずっと家族連れの多いビーチサイドで
カジュアルポップな内装のお店に
気温と雰囲気にはトテモそぐわないスーツを着込んだ男性が
4人用テーブルに2人で向かい合わせに座り、書類を広げながら談笑している。
この炎天下に
ホットコーヒー飲みながら。>ほっとけよ。
あたしは
位置的に彼の顔を直視できない席に座っていたんだけれど
そんな彼と向かい合わせに座っているお連れの方とは
実は何度も目が合ってしまっていた。
恥ずかしくて照れくさくて
ずっとあからさまに目を逸らしていた。
もしかしたら
お連れ様にカン違いされてまったのでは?と思われるイキオイで。
いかにも
巨人ごっこちっくにミニバーガーをほおばる彼女を横に
あたしの視線を捕らえて離さない彼の後姿。
正確には
未だ後姿シカ見えていない彼に
あたしは、こんなにも惹かれていた。
「ちょっと、やめとけって」
某ケータイ電話会社のCMヨロシク
あたしは持っていたケータイで、隠し撮りを始めていた。
「だぁって。もう2度と会えないカモ知れないんだもん。」
モチロン
後姿を激写されている彼は、当然気がつかない。
何度も何度もミスショットを繰り返して、数十枚ものショットを収めた。
けれどそんな中でトキメかれるショットは
結局、たったの2点。
「ちょっと、話しかけてこよっかな。
仲良くなれたら、さり気で一緒に撮って貰えるカモしれないし♪」
「もぉやめとけって〜」
何故か彼女は半泣き。
「・・・わかった。」
あたしは少し、ため息まじりに云った。
だけど
彼からは目が離せなかった。
沢山の人混みの中で、とても輝いて見えたから。
ってか
輝いてたんだってば。
ほぼ白髪の中途半端な落ち武者ヘアを天辺で束ねて
真っ赤なワッフルゴムで飾られているにも関らず
鋭利なその先端を高々と天井に向けながら
既に補助を必要としないだろうな髪に挿し込まれていた
謎の金のかんざしが。
「スゴく、ドキドキするのよ。こうして、彼を見てると。」
「彼の“頭”の間違いでしょ」
「・・・恋かしら。「間違いなく違うから!」
ヤっパり?(←笑顔爆裂。)」
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