2002年06月12日(水) >> あおいろ。
子供の頃に、こんなハナシを聞いた事があります。
『人間や恐竜が産まれるずっとずっとむかし
まだ地球上の生命が、小さな息吹きを始めたばかりの頃
神様は地上のあらゆる“透明”な生命に、ゆっくりとこう云いました。
「このほしを、美しく彩りたい。その為には皆の協力が必要だ。
君達は君達自身で、君達がきっとこの先も誇りゆけるだろうな
そんな色の希望を聞かせてくれないか?」
空は“あお”を、植物は“みどり”を
生態系の変化を求めた動物は“進化色”を選んで
最後に、海が残りました。
「どうかしたの?もうそろそろ決めてくれないと、次の進化が始まってしまうよ」
そうして海はタイムリミットギリギリになって
目の前にあった、空の色を映してしまいました。
だから本当は、海に色なんてないのです。
ホラその証拠に
手のひらですくった海の水には、何の色もついていないでしょう?』
・・・コドモゴコロに切なくなっちゃってさぁ。
それから妙に、“あおいろ”を避けるようになっちゃったのね。
決してキライなんかじゃないんだけれど
例えウソでも、スキだなんて云えなくって。
何ていうのかなぁ。
腫れものに触っちゃう。みたいな
あんなカンジなのかなぁ。
“そらいろ”や“みずいろ”の定義すら疑問に思えてきてね。
無闇に触れてはいけない。
なんて。
きっと、そんな感覚だったのかも知れない。
だけど
それが、不意に拭われてしまう瞬間があったんだ。
あたしは一昨年
絶対に手放してはいけなかったはずの大切なものを
一瞬の判断で失ってしまったのね。
本当はあたしの全てで護らなくてはならなかったものと、自らの手で決別をしてしまったの。
そしたら“それ”が初めて夢に現れた時に
すごくステキな、あおいろの中にいたの。
普通のイメージ的には、真っ白な中に存りそうな“それ”は
果てないあおと、深まりゆくあおの真ん中に存在していたの。
心臓がね、わし掴みにされた気がした。
護っていてくれてたのに。って、思えた。
母なる色のはずだったから。
あおいろに、「ごめんなさい。」ってゆってみた。
それから
新しく家族になった小さな生命に『あお』って名前をつけた。
ジャンガリアンハムスターの、あっちゃん。
あっちゃんを大好きになるたびに、あおいろとの接触も増えていって
あっちゃんに話しかけるたびに、ココロのガサガサがほぐれてく気がした。
まるで
あんなにも大キライだった自分の名前を
かけがえのないほど大スキな人達に呼んでもらえている事で
こんなにも愛おしく、きっと誰よりも誇らしく思えてきたみたいに。
今朝は少し強めに、ペールブルーの雨が降っていました。
お昼は抜けるような青空に、真っ白な雲がところどころにかかっています。
きっと夜には
藍色の中に薄い雲の白がかかった空を、ゆっくりと見上げている事でしょう。
大切な、想いと一緒に。
BGM:セパレイト・ブルー/PSY・S Taken From The Album=SIGNAL
◇◆◇ めぐ。 |