朝、カーテンを開けた いつものように3枚のカーテン その3枚目を思い切りあけたら 窓に「蛾」がとまっていた 「うわっ」 モコモコとした 肉厚に見える「蛾」 いやだいやだ・・・ そう思いながらも、じっと見てしまった・・・ あまり見かけない形・・・ 「蛾」・・・だよねぇ? 窓の向こう側にとまっている「蛾」を 上から下から・・・右から左からと あちこちから眺めてみた 確かに・・・「蛾」・・・・ あっ・・・・・ しばらく眺めていたら その「蛾」の形が・・・なんと・・・
・・・・・「天使」に見えたのだ・・・ 「ああああぁぁぁ!!!!」 思わず声をあげてしまった 触角が天使の羽根のように両側に広がって はばたいているようなのである 前足にはモコモコっと毛がついていて 袖の広がる・・・つまり・・・天使の絵によく描かれるような ガウンを着ているように見える そして両前足・・・ つまり天使の両手にあたる部分は 何かを受け入れるかのように まっすぐに広がり まるで「この胸に飛び込むといい」 そう言っているかのようだ その下の「蛾」の羽の部分は広がりがなく 細長く三角になっていて まさにガウンの裾・・・なのである 「・・・・天・・・使・・・・だ・・・・」 はたはたと飛び交い 鱗粉を撒き散らす「蛾」 「蛾」には何の罪もないけれど ・・・嫌いだ・・・ でも、その「蛾」が私に「天使」を見せてくれた いつも嫌って潰してしまう「蛾」に こんな仲間がいたのかと 少しばかり見直してしまった ちょっぴリうしろめたくもあった 造られた形 目に映る形 認識している形 それらが見せてくれた ちょっぴり幸せな形だった
形
見えない形 どう感じる?
始まりがあって 伝わっていくと終わりがある
・・・・・これが・・・丸
始まりがあって かたくとがって曲がってる
・・・・・これが・・・三角
風に揺れるながい髪 優しい瞳
チャーミングなお鼻 おしゃべりなお口
ああ・・・そんな言葉では伝わらないのか
指で触って私を知って・・・ 暗闇の世界でも知りたい物がある
その中で 知ることができる形は
こんなに限られてしまうのか
見えないもどかしさを感じたとき
見えないということに恐怖を感じた
与えられた視覚に
心から感謝の気持ちがあふれる
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