三楽の仕事日記
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2011年07月15日(金) |
派遣指導主事会研修会 |
月1回開催の派遣指導主事会。今日は小牧市教育委員会指導主事・栗木先生を招いての研修会。特別に事務所指導主事もフル参加。
所長挨拶。「今年度から派遣指導主事会で時間をいただいて授業についてお話をすることにしました。が、すでにネタ切れです。そこでリーダーは人に頼る力が必要と言われますので、学び合いのスペシャリストをお招きして、小牧市が取り組んでいる『学び合う学び』から学びます」と紹介。僕の楽しみは、小牧市の授業ビデオを見て、派遣指導主事さんがどのような反応をされるかということ。さっそく研修会が始まった。
栗木先生がとられた手法は、まさに授業そのもの。何ら説明なしに以下の3本の授業を10分ずつ放映。 〇 小学校4年算数 角とその大きさ(授業の導入場面から10分程度) 〇 小学校5年国語 大造じいさんとガン(授業の半ば、ほぼ子どもたちだけで話し合いが進む10分程度) 〇 中学校2年数学 連立方程式(授業の後半10分程度、グループで学び合うシーンを中心に) DVDを交換中に栗木先生から出された指示は「気づかれたことなどをもとに皆さんで話し合ってください」。しーんとした会議室。「皆さんの気づきこそ大切なのです。交流をしてみてください」と再度指示。
3本の授業を見終わり、「はい、それではどうぞ皆さんで意見交換をしてみてください」という指示。さあ、どのような意見が出てくるか、僕の興味はますます高まる。意見は主に2本目の国語の授業(教師は教室の前、中央に座っている。挙手をしている子どもへの指名が続き、黒板には何も書かない)に集中。
・子どもたちは楽しそうだが、どこまで分かっているのだろうか。 ・本当に学習が深まっているのか。 ・教師として子どもの考えを修正(指導)したりする必要はないのか。 ・参観している教師の数に驚いた。 ・子どもたちはとてもよく話している。 ・子どもは言いっぱなし。それでよいか。 ・自分の考えが妥当な考えなのかどうか、あれでは気づけないのではないか。 ・いや、それは違う。子どもは他の子どもの意見を聞きながら、気づいていくのではないか。 ・子どもはメモもしていない。それでよいのか。 ・(国語の授業で)子どもと先生の視線が同じ高さと言うのはなるほど!と思った。 ・教え込む授業は楽。この授業のように進めるのは、よほど授業デザインが必要だと思う。 ・どれくらい教材研究が必要なのか。力のない教師はできない授業ではないか。 ・6月の段階の授業でここまでできているなんて、凄いことだ。 ・教師がまとめることは最後にしていますよね・・・。 ・ほかに話がいってしまうことはないのか。 ・知識を教えようとするのではなく、学び方を教えようとする授業ではないか。 ・4人組はいいなあと思う。 ・(授業映像がほとんど子どもであることから)先生は何をしているのか知りたい。 ・子どもの学びを参観した教師が見ていて気づくことがあるというが、一人では授業ができないのではないか。
予想した通りの感想や意見が続く。時折、他の意見にからむ意見も出る。この段階ですでに予定時刻が迫る。20分間の延長をして、栗木先生からコメントをいただく。 本日お見せした算数・国語の授業者は、教員2年目と3年目です。若い教師でもあれだけの授業ができるのです。 3本目に見せたのはベテランによる授業です。ベテランほど難しいかもしれません。話し過ぎてしまうのです。 皆さんから出された感想や意見は、始めてから5年経つ小牧でも、同じように出ることもあります。
このような前置きをされてのコメント。以下にキーワードを紹介しておく。
〇 子どもが主役の授業です。 〇 一人一人の学びを保障する授業です。 〇 見ていただいた国語の授業は文学作品を読み味わうことをめざした授業です。 〇 教師は子どもたちの意見をじっくり聞きながら、深めさせるところはここだ!というところで、動いています。 〇 教え合う授業ではありません。学び合う授業です。 〇 子どもが「わからないことをわからない」ということが大切です。そこから学びは始まります。 〇 「わからないので教えて」と言うまで教えません。教えるときはとことん教えます。 ついつい、僕もコメント。授業中の子どもたちを見せていただいたような位置から撮影したら、どうでしょう。子どもたちの表情はどうでしょう。学んでいるでしょうか、と。
僕がすべきことは指導主事の皆さんに今以上に力をつけていただくこと。その意味ではとても良い機会を作ることができたと思っている。
笑顔で穏やかな口調で放たれた「子どもが主役の授業です」というコメントの意味するところを皆さんはどう感じられたのだろうか。これを契機に皆さんが、例えば、佐藤学さんや石井順治さんの本を読んでみよう、という動きをしていただければうれしい。
午後はこの地区の小学校などの社会見学場所となっているところなどを案内をいただいて巡回。貴重な機会を与えていただいたことに大感謝。今日も充実した1日が終わる。
今週は毎晩遅く帰ったこともあってか、名古屋へ向かう電車の中で感じたとても重い疲労感。名古屋からはちょっと贅沢をして座席指定で犬山へ。そこから地元駅へは、だれもが2席とっても迷惑にならないほどの電車(笑)。
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