三楽の仕事日記
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2009年01月05日(月) 仕事始めの日

 2009年仕事始めの日。課室の気温は15℃。9時過ぎまで暖房は入らない。寒さを我慢しながら、放送で知事の厳しい年頭の挨拶を聞く。「心機一転」という言葉を心に刻む。

 新年最初のグループ検討は、教科書関連の文書について。従来のものをベースに整理の視点を変更して提案。「より明快になった」とのコメントで、ほっとする。次の段階に向けて、資料づくりに取り組む。

 2月議会に向けての検討。いくつかの文書決裁。N指導主事と会議の進め方について相談して、初の取組をすることに決定。新年最初の○○メール対応。雇用促進文書提出、新型インフルエンザ発生時の回答文書作成&検討など。

 文部科学省から来年度から実施可能な「小学校外国語活動」の指導要録記載について通知文が届く。担当からその記載例(活動、観点、所見)について相談を受ける。県としてどこまで例示をするかは悩ましいところ。しばらく時間をおいて考えることにする。

 「グリーンウェーブ運動」について急な新展開。良い方向に進んでいるのかどうかは別として、まさに知恵の出しどころ。

 仕事始め日としては濃密度。我ながらよく働いた。定時退庁時刻30分前に暖房が切れていて、底冷えを感じる課室を出る。

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 「企業の錯誤/教育の迷走 人材育成の失われた10年」(青島矢一編、東信堂)を読む。失われた10年とは、バブル景気崩壊後の約10年にわたる景気低迷期を指しているが、編者が言うように読めば読むほど暗くなる本である。我々が取り組んできたことは何だったのだと思いながら、あちこちのページに付箋を貼ってしまった。

 「個性の尊重」や「個の重視」というマジックワードが強力であったがゆえに、学校教育や企業の人材育成において行われた一連の改革は、改革の理念や、目的と手段に関する深い考察がないままでも十分に進めることが可能となった。

 「ゆとり教育」の実施が、いじめや不登校の問題を改善したという事実は見当たらない。また、日本の小中学生が他国の子どもに比べて「創造性」に欠けていたという事実もはっきりしていない。

 企業において個性や個の重視が強調されたのは、90年代の日本企業の低迷が、イノベーションの欠如にあるという認識が関係していた。しかし、本当にイノベーションの欠如が問題だったのか。

 「個性の尊重」や「個の重視」が重要であることに疑問の余地はまったくない。しかし、だからこそ、一度これらのマジックワードが唱えられると、あらゆる改革が正当化されてしまう。そこでは、改革の真の目的は何であるのか、何が問題で何が原因であるのか、どのような手段で目的は達成されるのか、という問いは必ずしも問題とならない。たとえ一つの改革が問題を解決できないとしても、個性重視や創造性という基準を満たす限り、また次の改革が始められる。これが、本書でわれわれが「理念なき試行錯誤」と呼んできた改革の一面である。


 筆者の一人である苅谷剛彦氏は、教育改革の根本の判断のところで、ボタンの掛け違いがあったと述べている。今回の改革は大丈夫なのだろうか。


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