三楽の仕事日記
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2008年12月27日(土) |
小学校外国語活動教員研修会に参加 |
今日は愛知教育大学で開催された「小学校外国語活動教員研修会2日目」に参加。到着してびっくり。会場は超満員。急遽、別会場が用意され、そこに中継されるとのこと。定員250名のところ、450名が集まったとのこと。それだけ現場は小学校外国語活動の情報を求めているということだ。
二日目最初のプログラムは、「英語ノートのワンポイントアドバイス&拠点校での実際」。愛知教育大学の高橋教授から英語ノートの不備な点が紹介された。すべての小学校に「英語ノート」が届いていない状態で、いきなりここは使いづらいとプレゼンされても、マイナス思考ばかりが高まる。外国語活動の目標に照らせば、高橋さんのご指摘は枝葉末節で、僕の尺度では、そんなことはどちらでもよいのではという程度のこと。むしろ、会場に控えてみえる教科調査官の太田光春さんがどう反応されるのかが楽しみで、表情をチラチラ見ながら講義を楽しんだ。
次は文科省調査調査官の太田光春氏の講演。演題は「小学校外国語活動必修化により、小中高の英語教育がどう変わるか?」へそ曲がりの僕は、すぐにタイトルに突っ込みたくなる。小中高の英語教育というが、これまで小学校では英語教育はありませんよ。正しくは中高の英語教育とすべきでしょ」と。もっともこれも枝葉末節の指摘(笑)。
講演は、のっけの高橋教授の指摘に挑発されてか、やや興奮気味に始まる。高橋さんの指摘は間違いであるとはっきり述べられるなど、主張は明確で、思いもよく伝わってくる。今回の高等学校学習指導要領の改訂で、英語教育は200年かかってようやく正しい方向になったと述べられた。
小学校英語活動は、コミュニケーション能力の素地を養うことが大切で、言葉に対して温かい気持ちを持つこと、言葉に対してポジティブな気持ちを育てること、教科として学びたいなという気持ちを育てればよいとのこと。
勢いがある講演なので、思わずなるほど!という気持ちになってしまうが、時間をおいて考えてみると、どうも小学校外国語活動がよく分からない。ある別の講演者は、「小学校外国語活動では言語習得は目標ではありませんよ。積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成ですよ」と強調された。これらは確かに指導要領にも明記されているので理解できるが、2年間70時間をかけて、「教科として学びたいなという気持ちを育てる」だけでよいのか。講演者の主張の奥底には、「英語嫌いを作らないで」という願いがあるように思う。このことも共感できるが、そんなに心配なら、「小学校からやらないで、これまで通り、中学校からやればいいじゃないですか」とお聞きしたくなってしまう。小学校外国語活動が位置付けられたことを、現場が重みに感じないようにという気遣いからか、本当に言いたいことは避けているような感じがする。ひょっとして次期指導要領改訂での目論見があってのことか。(県教委に来て、どうも素直さを失ってきている自分を感じる(笑))。
「英語ノート」はあくまでも素材であり、児童の実態に応じて、自由に使って欲しいとのこと。これもよく理解できる。同時に開発された電子教材もよくできていて、現場では重宝がられるはずだ。ICTの教室設置もこの機会に進むとうれしい。
ところで引っかかるのは「英語ノート」というネーミング。「ノート」というと、英語を書いて覚えるというイメージを持つ方があるのではないだろうか。ずっと考えていても、代案が浮かばないのが悔しいけれど。
今の自分の仕事から考えると、「英語ノート」に関して、次のような保護者からの苦情が予想される。 「うちの学校の先生は英語ノートをほとんど使っていないのです。他の学校では1冊終わろうとしているのに。教育委員会から指導してください」 「いえいえ、英語ノートは外国語活動を進める上での一つの教材ですからね。学校では他の教材なども使って、活動が行われているはずですよ。英語ノートを使い切るのが目的ではないのですから。ご心配なく」 想定問答集を今から用意しておくか(笑)。
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