全てフィクションです 【DRESS】 - 2003年10月06日(月)兼松たちの様な奴らと離れて暮らすことになり 僕は以前の静かな生活を取り戻すことが出来た。 ただ違うのは、家族とも離れて暮らさざるを得なかった事。 寂しいといえば確かに寂しかったかもしれない。 が、完全に独立した生活でもなく食事の時は母屋で オバサンと顔を合わせる事になるし、 食事の出る下宿であったにもかかわらず 母はしょっちゅう自分が作ったオカズを僕に運んだ。 そして妹達も時々は僕の部屋を訪ねてきてくれたのだ。 お陰で僕はそれ程孤独を感じずに済んでいた。 無事に中学を卒業し、下宿している地域から公立高校を受験した。 札幌は学区が2つに分かれているのだが、 実家がある所とは学区が違うため、以前の知り合いは全くいなかった。 そういうわけで、僕は心機一転新しい生活を始めることが出来た。 学校は少し郊外にあって、目の前に大きな貸し畑があり、 春には牛の糞の臭いがしていた。 普段は顔をしかめながら急いで帰りのバスに乗ればよかったが マラソン大会の時などは砂利の上を走りながら 思いっきりその臭いを嗅がなくてはならない事は苦痛だった。 そんな田舎の学校だったが、下宿の最寄の駅は 当時は現在ほどではなかったにせよ副都心と名がつくほど大きく 学校帰りには大型スーパーと若者向けの専門店街の群れの中に立ち寄り それなりに遊びには不自由はしなかった。 高校生というのは中学生に比べれば少しは大人であり 中学の時の様におかしな連中がからんで来る事もないわけで そんなこんなで特に大きな問題もなく 無事に就職の内定も貰い、卒業した。 -
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