...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年06月13日(金)

周りの奴らは黙ってそれを面白そうに見ている。
「俺最近ご無沙汰だから、小学生でもイイと思っちゃうんだよね」
「瑤子ちゃ〜ん。どんなパンツはいてるのかな〜」
面白がって口々にムカつく言葉を吐いてやがる。
マットの下の方の隙間から瑤子の体に手を伸ばそうと探ってる奴まで。
必死に腕を振り解こうとしたものの、腕も首もびくともしない。

僕一人じゃどうにもならない人数だ。
いや相手が一人だってどうにもならないだろう。
僕は喧嘩をした事がないし腕にも自信がないし
現実にこいつらに掴まれたまま一歩だって動けない。

「頼むよ。僕が来たんだからもういいだろ。帰してやってよ」

目の前の男を見て僕はそう言った。
そいつは観念した僕を見て満足そうな顔をしながら
「しょうがねぇな!藤沢が遊んでくれるってよ!」
男が叫ぶと、他の奴も瑤子を掴む手を緩め、マットが解かれた。
相変わらず僕の方はがんじがらめにされたまま
「瑤子・・・先に帰ってなさい」とだけ言った。
瑤子はビクビクしながら不良どもの間を縫っていったが
僕の方が気になるようで中々出て行こうとしない。
その間にも奴らは瑤子の体を眺めていたずらしようと
目が光ってるような気がした。

「早く帰りなさい!」

その怒鳴り声がスイッチになったように
瑤子は勢い良く引き戸を開けて駆けて行った・・・



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