...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年04月29日(火)

教室を飛び出したい気持ちになった。
なのになぜか僕は大人しく自分の席に向かっていた。
どこにも焦点を合わせられない。
クラスの全員が僕を見てる。
あらゆる場所から僕に対する暴言が飛んできている。
後ろから「おいオカマ野郎」と背中を小突かれる。

僕は今、最高の屈辱を味わっていた。

じっと下を向いていると、僕の目の前に誰かが立ったのが見えた。
「おい」と声を掛けられて見上げると、そこには木戸がいた。
「やっぱりお前…」
やっぱり言い触らしたのはお前か、と僕が口を開きかけると
木戸が「わりーなっ」と悪かったとも思っていない顔で言った。


☆☆☆☆☆


それから、誰も僕と口を利いてくれなくなった。
友達だった奴には蔑まれた。

「お前、ホモなんだってな」
「違うよホモじゃない」
「夏休みに皆でキャンプに行った時嬉しそうだったもんな。」
「・・・・・」
「男同士で風呂に入った時、お前一人ではしゃいでただろ。
 みんなで雑魚寝した時も嬉しかったんだろ?
 大好きな男に囲まれてさ!」
「そんなことないって」
「一人でチンコ勃たしてたんじゃねーの?」

「僕はゲイじゃない!」

僕はゲイじゃない。そう叫んだが友達は戻ってこなかった。



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