...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年03月15日(土)

外に出た僕たちは少し身震いした。
6月ももう終わるという季節だというのに意外に寒い。
やっぱり上着も着ないで早朝から外出するのはまずかったかな。
それともこの心地よい緊張感からの震えだったのか。

スカートの裾を気にしながら僕は家の前の階段を駆け下りた。
足にまとわり付く風が気持ちいい。
こんな感覚は初めてだ。
僕のはいたスカートが柔らかい風になびいていた。

「あはは!兄ちゃん、何回ってるの」
「凄いよ瑤子!足がスースーするんだ!」
「変な感じ?」
「癖になりそー!」

僕はスカートが風に翻る感覚が面白くて
何度もクルクル回ったり駆け回ったりした。
すごい、すごいよ!
小さい頃に味わったきりのこの感覚。
可愛らしい服を着るのが当たり前だった頃には
こんなにスカートが嬉しいものだとは分からなかった。
ただスカートをはいて外に出るだけの事がこんなに嬉しいなんて!


-




↑エンピツ投票ボタン
My追加

 

 

 

 

INDEX
昨日  明日

Mail