全てフィクションです 【父との秘密】鍵 - 2002年06月24日(月)ある時思い立って、自分の部屋に鍵をつけた。 木製のドアに、内側から南京錠のようなものをつけてみた。 夜寝る前にその鍵をかけ、あたしは眠りについた。 ウトウトし始めた頃、父が部屋に入ろうとしたが、 父が諦めて自室に戻る足音を布団の中で息を殺して聞いていた。 鍵の効果は絶大だ。 それから数日、父の訪問は当然無く あたしはまた安心して眠れる日々が続いた。 その素晴らしい日々を壊したのはあたしが原因だった。 あたしは学校から直接友達の家に遊びに行って かなり遅い時間まで帰らなかった。 叱られるのを分かっていて、恐る恐る帰ったあたしに 心配していた母は大声を出してあたしを怒り、 父も激昂してあたしに殴りかかろうとした。 こわくなったあたしは、自分の部屋に逃げてドアを閉め、鍵をかけた。 すると父が追いかけてきて何か叫びながらドアを叩いた。 後ろで母がもうやめてと父をたしなめていたが、 父はそんなことに構いもせず、あたしの部屋のドアを叩きつけていた。 何度も叩いたり蹴ったりしても開かないはずのドアだ。 しかし父はそうと分かると何か道具を持ってきてそれでたたき出した。 そのうち大きな音がしてドアが開いた。 鍵をつけていた金具がネジごと引っこ抜けていて ドアノブも取れていた。 息を切らせた父の手には大きな金槌が握られていた。 -
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