| 2009年11月03日(火) |
『ロミオとジュリエット』 |
Kバレエカンパニーでは、初演です。 客演のロベルタ・マルケスの容姿が「いかにもジュリエット」だったので、それを観たかったんですが、日程の都合で断念しました。 私が観た康村ジュリエットも小柄で可愛いんですが、痩せてるので衣装によっては怖かった。特にロミオが逃げるときの寝室のシーンは衣装が薄手の白なのででゾンビのように見えます;
今回の衣装も、観ていてとても楽しかったです。男性の衣装も、短いマントつけたり、裾がちょっと長めだったりするんですよね。踊ることを考えて作られているので、翻った裾の残像すら美しい。 一番のお気に入りは、ヴェローナの娘たちのフリンジの着いたスカートです。オレンジで可愛い。会場で売ってたら買いたいくらいです。
よく知った話のせいか短めに感じましたが、幕の中での場面転換がとても多かったです。市街とキャピレット家(寝室とホール)とバルコニーと教会。これが暗転だけで素早く変わっていきます。 1つの高台と2つの曲線の階段を、すべて違う形でセッティングして見せているので、セットも面白かったです。
それなのに、1幕メインの2人が恋に落ちて踊るシーンでは、極度の眠気が……。愛のダンスがなぜか苦手な私です。
熊川版振付ということで、ロミオとジュリエットは「若さで押せ押せ!」といった感があるのですが、演出全体は重くなっていたような気がしました。ロミオへの手紙をジュリエットから託された小僧は追剥に殺されるし、ジュリエットの婚約者はロミオに殺されるし。仮死から目覚めたジュリエットの傍らに、2人の死体……。怖い。
特に2幕のマキューシオとティボルトのケンカ(決闘とはいえない、ただの本当にバカか子どものケンカ;)が、なんだか私の中では消化不良ですっきりしませんでした。 必死に止めるロミオをしり目に、マキューシオがとても好戦的です。そして、刺されてから死ぬまでが長い(=クドイ)。あれは間違いなく、賛否両論出てくると思います。ジゼルの狂乱じゃないんだから…; マキューシオが重要キャラなのは、それを失った時にロミオが逆上してティボルトを殺してしまうからであって、マキューシオ本人にそんなに時間裂くなら、ロミオの嘆きを!と思ってしまうのです。 そんな冷めた目で観ていると、ティボルトが死んで嘆く、キャピレット夫人や当主の方がよほど観ていて心打たれたりして。当主はキャシディだし。
なにはともあれ、『ロミオとジュリエット』だからこそ、色々考えて楽しめるんですよね。それに、キャピレット家の人物も掘り下げられているので、今までにないものを観ることができて楽しかったです。
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