| 2006年12月17日(日) |
柴田よしき色々 その2 |
『水底の森』 今までで二番目に読みにくかった本でした(1位は『照柿』高村薫)。でも、「風子の章」が終わるころには読みやすくなりました。知らない道が長く感じられるように、手探り状態だと時間がかかるんですね。殺人事件の謎解きは終わったけれど、すっきりしない終わり方でした。
『少女大陸 太陽の牙海の夢』 感情移入できる人物がいなかったので、面白く感じられなかったです。(強いていえば砂漠の町に住み着いちゃった旅人;)少女世代の人なら面白いのかしら?
『ワーキングガールウォーズ』 「負け犬小説!」と触れ込みだったので、これならすっきりするかと期待して読んでましたが、弱音が予想以上に多かった。そして、なんだかんだいっても上場の女性第一号取締役を目指すような人ですから…。一気に読めて面白かったけれど、誰よりも負けている自分を再認識してしまい、ちょっとブルーになってしまいました。
『窓際の死神』 やっと、読みたい話が戻ってきました。(いや、その表現は問題があるから) 昔話をからめつつ、寓話っぽくて、なにより死神のさえないおじさんがステキでした。
『夜夢』 夜の夢=ちょっとホラー風味の短編集でした。これも面白かったです。恐怖症を書いた「つぶつぶ」が一番怖かったです。「化粧」も怖かった。普通の生活から転がり落ちていくのって、ほんのちょっとしたズレなんですよね。
『最後の恋』「最後の恋」テーマの、人気女性作家8人の短編集。 「わたしは鏡」(松尾由美・著)が一番好きです。大学の文芸部の話で、書き手不明の恋愛小説を誰が書いたかを探っていたのに、重要なのはどうして書いたかだったのが、とても切なかったです。 「海辺食堂の姉妹」(阿川佐知子/著)は、人名が出てこないので、姉が妹を呼びかけるときに「妹さん」っていうんですよね。ものすごく違和感があるんですが、話が童話っぽい雰囲気があるので、わざとなのかなぁと…。
短編が読みやすかったってことは、もしかして、『水底の森』で読書力を使いすぎてその後の2冊が重く感じたのかしら? あとは、やっぱり共感できる登場人物とか、好きなタイプの人物が出てこないと、長編はつらいってことですね。
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