『紅い悪夢の夏−本格短編ベスト・セレクション−』 タイトルが一番怖いアンソロジーでした(笑)。内容は短編らしくこじんまりとまとまったものばかりで面白かったです。 「紅雨荘殺人事件」有栖川有栖/著 火山とアリスのシリーズ。有栖川の作品はタイトルが妙にツボにハマルものがありますが、そういうのに限って、内容はわりと庶民的だったりします(笑)。映像にすると面白そうな話でした。 「四角い悪夢」太田忠司/著 兄妹探偵もの。初めて読むシリーズ。オチはわかりやすいですが、兄と妹のやりとりがこまごまと微笑ましいです。 「子供部屋のアリス」加納朋子/著 これも初めて読むシリーズ。おじさん探偵と可愛い女の子。アリスが邪気が無くて可愛い助手だったので、他の作品も是非読んでみたいです。 「邪宗仏」北森鴻/著 民族学者の蓮丈那智シリーズ。見立て殺人の落とし穴が思わぬところにあって、面白かったです。ラストの那智の「仏の救い」云々に、ちょっと沈みます。 「エッシャー世界」柄刀一/著 頭に地図を思い浮かべられない私には、かなり読み辛い話でした。この探偵(教授)はどうやら現実世界と異界を行き来するようなのですが、毎回、世界の理解から始めなくてならないのかしら? トリックは初めて知ることで面白かったです。 「龍の遺跡と黄金の夏」三雲岳斗/著 SFでミステリー。面白かったです。探偵役の龍狩り(?忘れた)のお兄さんがめちゃくちゃタイプでした。頼りなさげな学者風…;でも、すご腕の龍狩り。なんて素晴らしい。
『凶笑面』北森鴻/著 以前アンソロで1話読んだだけだったのですが、2時間ドラマでやっていたので、これを機にまとめて読もうと現在も借り中。 表題作の「凶笑面」のドラマ。もともと私が持っていた那智のイメージは涼風真世だったのですが、木村多江もなんとかがんばっていました。三國は岡田くんで似合ってた。特にヘタレ具合が。 話は……短編を2時間に仕上げると、あれくらい肉付けしないとダメなのかしら? 色々かなり違いすぎて、うーん。良くて原案と言って(笑)
「鬼封会」「凶笑面」「不帰屋」「双死神」「邪宗仏」と、各短編ごとに民俗学に関連して事件が起こるわけですが、読み終わる頃には、すっかり「伝承とか言い伝えって、陰惨なものを隠すために作られたんだ」という、偏ったイメージがついてしまいました。民族学ってそういうもの? だからどれもフィールドワークしたのに「発表できないファイル」になってしまうわけですね;
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