Kindleのセールで買った『女のいない男たち』を断続的に読んでいたんだけど なんかもうダメだと思い、読むのを中断。
『シェエラザード』の途中でギブアップ。
変わり映えのしないことしか書いていない。 全然新しいことがない。 少しだけ立てつけが面白いだけで、本当に何も起こらない。
何も起こらないのがいいところだとずっと思っていたはずなのに 文章が陳腐というか、大昔目新しく映っていた文章が いまや見飽きたものに成り果てたっていうか。
新鮮なレトリックも、使い続ければそりゃ見向きもされなくなるでしょう?
並行していくつかの小説を読んでいた。 『クライマーズ・ハイ』はちょっと前に読了。 少し読みにくかったかな。興味深くはあったけど。
ささくれ立っている私の今の心にジャストミートしたのは 中嶋有の『タンノイのエジンバラ』
表題作より、他の「夜のあぐら」とか「バルセロナの印象」がいい。 兄弟とか姉妹のあり方がいい。 私が求めてた小説はこういうのよ!って感じ。
ちなみに「バルセロナの印象」でついハイライトをつけちゃったのが以下。
しかし僕は、自分が冴えない散策の果てに小さなカフェで女主人に見守られて仕事をしたことや、二人が異国で「ホンモノの」ミサを体験したこと、二人が僕の不在を残念がったこと、僕が二人は雨にうたれていないかとつかの間思い巡らせたこと、その出来事の全体を素晴らしいと思った。旅行をしているという実感があった。
中嶋有の各短編にはちゃんと人の顔が見えるけど 村上春樹のは全部同じ人にしか思えないし、何一つ印象に残らないんだよね。
というわけで、割と長らく、村上春樹を読んできたけれども 多分もう小説は読まないんじゃないかと思う。 エッセイは読むかもしれないけど。
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