CYMA’S MURMUR

2009年07月23日(木)   The Road

"The Road"

時折、自分たち以外の人間の影を感じながら、
あるいは本当に短い時間を一緒にすごしたりしながら、
ひたすら南を目指す父と息子。

南の、海岸を、目指す。

でも特になにか目的があったわけではないのだ。

ビーチに立って海を眺める。
一体これからどうするの?



一面灰に覆われて、生物の気配もなく、食べ物もない。
そんな終末の世の中で生きる意味は何?

少年はとても優しい心の持ち主で、
見かけた子供も一緒に旅できればいいのに、と言う。
すれ違った老人に食事を与えたい、と言う。

息子の優しい心遣いを受け入れるわけにはいかない父。
守らなくてはならないものがあるから。
けれど全てを否定することもできない。

たとえば誰かを殺して食べるような、
そんなことをしてまでは生きる意味がないから。

人間性を失ってまでただ永らえることには
何の意味もないから。

切り落とされた首や、内臓を引き出された赤ん坊の骸。
そういうものも、色彩を失ったまま放置されている。

少年は多くを語らないけれど、
目にする光景に確実に傷ついていく。

父は言う。I'm sorry と。
何に対する謝罪なのか。

時折、屋根がある場所で眠れる。
誰かがストックしておいた食料にありつける。
でもそこに居続けるわけにはいかない。
だから歩き続ける。
でもその先に何があるの?



どこかのタイミングで、父は子を殺さなくてはならないのではないか?
だって、置いていくわけにはいかないでしょ?
誰かに殺されるくらいなら、、、って考えない?

一体この先どこにたどり着くのか?






相変わらず英語は難しいんだけど、
この世界に引きずり込まれた。止まらない。

彼らが、幸せになれるといいと思う。
けれど、ハッピーエンドの可能性なんて0%だ。





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