退職面談をした。
何故だか、とても、緊張した。
「もったいないね」
役員もまた、そう言った。
給与の話ではなく、技術の話、そして、 キャリアの話、かな。
管理部門(経理や人事)に移らないか、 という誘いもあった。
管理部門に移れば、まぁルーチンワークをしながら、 そこそこのお給料がもらえることはわかっている。 もちろん、管理部門とはいえ一般の会社より、ずっと忙しいんだけど、 それでも開発をするよりは時間的には全然楽なはずだ。
でも。
それは違う、と、思った。
私のやりたいことって何なんだろう?
やりたくないことはわかるのに、 やりたいことはわからない。
でも。
新しいお客さんのところに行って、 要件をヒアリングして、 システムを構築して、 そういう作業はやっぱり嫌いじゃないのかもしれない。
辞めることが現実になった途端にそんなことを思う。
妹からのメールに
お父さんもお母さんもすごい心配していたよ。 やっぱり年収はすごいいいしさ。 この先どこかに勤めたとしても、今よりも安い給料で すごい忙しいかもしれないし。 でも、直接は言えずにいるみたい。
とあった。
確かにね〜。 親の気持ちもわかるよ。
だからって、
「辞めてどうするの? このまま続けた方がいいんじゃないの?」
なんて言われたら切れるだろうな。
自立している娘に口を出せずに、 でも心配している親心はわかるけど、 私だってツライのだ。
本当は、会社辞めることも黙ってて、 次の道が決まってから報告するほうがよかったのかもね。
なんだか、ちょっと心が重くなった。
有休は全消化してもいいみたいなことを 役員が言っていたので (「任せるから好きに退職日決めていいよ」) 遠慮なく全消化させてもらおうかと思っている。
結構ありますよ。 しかし役員がいいと言っても、人事部は渋るかも。 でもここは、ごねておくべきかな。 この会社は退職金もないしね。
ちょっと落ち込んだ心をはげますべく、 帰りに花を買った。
ガーベラにも心引かれたけれど、 もちが悪いからやめて、黄色いカラーを買った。 めちゃめちゃ元気になれそうな、POPな黄色。 でも形自体はシック。
今まで自分で買った花の中で一番高かった。 退職記念。
***
DVDで『アメリ』を見た。
イマイチ好みのタイプではない。
なんというか、アメリの悪意が、どうにも鼻につくのだ。 その悪意はただの御伽にしないためのキーワードかもしれないけれども。 そこがフランスらしいとも言えるけれども。
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