CYMA’S MURMUR

2005年05月13日(金)   読書メモ


■廃用身
久坂部羊 著   幻冬舎文庫

えーと、読むんじゃなかった。。。
後味がどうもなぁ。

何が怖いって、読み進むうちに、
「廃用身の切断」がすっごくいいこと!のように思えてくること。

人間の尊厳ってなんだろう、って思う。
動かない手足の意味なんて、本人にしかわからないわけだし。

全然関係ないけど、私の学校のモットー(っていうのか、理念?)は、
”HOMINIS DIGNITATI” (人間の尊厳のために)だった。
念のために書いておくと、大学は違うところです。。。



■ラッシュライフ
伊坂幸太郎 著   新潮文庫

すっごく面白かった!

群像劇・・・
登場人物の誰もがVIVIDに描かれていて魅力的。
私は、黒澤が好きですが(笑)。

ミステリーだとは思わなかったな。
それぞれの人にとって異なる教訓を秘めた童話みたいな感じ。

矜持のある泥棒って設定は、
なんかとってもハードボイルドで魅惑的(←バカだ)。

「神」に関する記述もなかなか興味深かった。

バラバラの物語が1つに収斂しなかったとしても、
パーツパーツが上出来なので楽しめると思う。
(なんて書くと、苦心して組み立てた作者はガッカリするかな・・)



■光の帝国―常野物語
恩田陸 著   集英社文庫

なかなか面白かった。
特殊な能力を持つ常野の一族にまつわる連作。

一番最初のお話は、

 なんだかコバルト文庫の匂いがする!(笑)

なんて思った。
小学生か中学生の私が読んでたら、結構好きだったろうな、と。
でもまぁ、私はいい年した大人(っつーかオバサン?)なわけで。

連作だから、いろいろな年代の主人公が語るので、
コバルト文庫ばかりではない。
私としては、身近な年代の女性が主役の物語が、一番ぐっときた。





 < 過去  INDEX  未来 >


しぃま [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加