CYMA’S MURMUR

2005年03月26日(土)   遺言


最近、銀行口座を整理していることもあり、
各種契約書やドキュメントの片づけをした。

祖母からの手紙が、いくつも出てきた。
1通だけ、ふと開いてみたら、
ちょうど亡くなる1ヶ月ほど前にもらったものだった。

私がベルギーで買ってきたお土産のチョコに対するお礼や、
従弟の受験の話とか、他愛のないことが書いてあった。

最後の1行を読んで、涙が溢れた。


    貴方の幸運と健康を何時も願っています。


手紙をもらった当時は、ほとんど目にも留めなかった一文。

でも、こんなことを祖母が書いてきたことは、
多分なかったと思う。

過去の手紙を全部紐解いてみようか。
でも、怖い。
今はやめておこう。

でも、本当に。
風邪をひかないように、とか、
仕事をしすぎないように、とか、
夜道には気をつけて、とか、
そういうことはよく書いてあったけど、
こんな風にストレートに書かれたことがあっただろうか。


最近、ちょっと、祖母に関することがらで、
嫉妬というか、そんな気持ちを感じていた。

私は、祖母にとって初孫で、自分で言うのもなんだけれど、
やっぱり孫4人の中では私が一番だったと思っている。
これは私だけでなくて、私の母も、妹も、叔父も認めていること。

だけど。祖母が亡くなってから、
どうなればおばあちゃんが喜ぶかな?
と考えるようになって、
そう考えると、どうしても叔父と従弟の比重があがってきて、
じゃぁ祖母は私のことをどう思っているのだろう、と、
もう確かめようのないところで、従弟に嫉妬したりしていた。

祖母が心配していたとすれば叔父と従弟のはずで、
それは叔父がリストラされたあとあまり収入がよくないことや、
従弟の受験のことだったりする。
私や母や妹のことを愛してないわけでも心配してないわけでもなくて、
ただ、私達はそれなりに安定していて、
少なくとも祖母に変な心配をさせることはなかったというだけ。

あぁ何を書いているのかよくわからなくなってきたけど、
でも、やっぱり祖母は私のことを想っていた、と、
当たり前のこと、わかっていたはずのことを、
この手紙の一文で再認識した。





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