CYMA’S MURMUR

2005年03月02日(水)   ハンナのかばん



”ハンナのかばん”

の話を昨夜NHKのドキュメンタリーで見た。

早く寝なきゃ、と思いつつ、画面から目が離せなくなった。
柄にもなく泣いたりしながら、最後まで見てしまった。

アウシュビッツで亡くなった少女ハンナと、
アウシュビッツをも生き延びた兄ジョージの物語。
詳細をお知りになりたい方は、
検索していただければいくらでも情報が見つかると思います。
私は、昨夜初めて知ったのだけれども。



誤解を恐れずに言うならば、

私はアウシュビッツに魅了されている。

目も背けたいほど恐ろしい出来事だけれど、
逆に目を逸らせなくなる。どうしても気になる。



何故だろう?

ヘンリ王子の騒動の時にも書いたけど、
私は南京大虐殺について知っているよりは、
大分多くのことをアウシュビッツについて知っている。

1つには、提供された物語の質ということがある。
「アンネの日記」は、少女だった私の心に大きなインパクトを与えた。
そういう意味では「はだしのゲン」もそう。
お話によって身近に感じる出来事というのはある。



もう1つ、ナチスの犠牲となったユダヤの人々について気になるのは、
その出来事がある程度のスパンを持っているから、
ということかもしれないと、昨日気付いた。

ハンナも兄も、テレジン収容所で2年を過ごしたあと、
アウシュビッツに送られる。
どんどん統制が厳しくなって、
家族と引き離されて、
やがてアウシュビッツに辿りつく。
その時間の流れは一言ではとても言い表せなくて、
その物語に私は囚われているのだと思う。

いきなり敵軍に惨殺されても、
長い時間かけていたぶられても、
悲しい死に変わりはないけれども。



悲しくて、悲しくて。
でもやっぱり人間は弱いのだと思う。
状況によっては、いくらでも残虐になれるのだと思う。





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