”ハンナのかばん”
の話を昨夜NHKのドキュメンタリーで見た。
早く寝なきゃ、と思いつつ、画面から目が離せなくなった。 柄にもなく泣いたりしながら、最後まで見てしまった。
アウシュビッツで亡くなった少女ハンナと、 アウシュビッツをも生き延びた兄ジョージの物語。 詳細をお知りになりたい方は、 検索していただければいくらでも情報が見つかると思います。 私は、昨夜初めて知ったのだけれども。
誤解を恐れずに言うならば、
私はアウシュビッツに魅了されている。
目も背けたいほど恐ろしい出来事だけれど、 逆に目を逸らせなくなる。どうしても気になる。
何故だろう?
ヘンリ王子の騒動の時にも書いたけど、 私は南京大虐殺について知っているよりは、 大分多くのことをアウシュビッツについて知っている。
1つには、提供された物語の質ということがある。 「アンネの日記」は、少女だった私の心に大きなインパクトを与えた。 そういう意味では「はだしのゲン」もそう。 お話によって身近に感じる出来事というのはある。
もう1つ、ナチスの犠牲となったユダヤの人々について気になるのは、 その出来事がある程度のスパンを持っているから、 ということかもしれないと、昨日気付いた。
ハンナも兄も、テレジン収容所で2年を過ごしたあと、 アウシュビッツに送られる。 どんどん統制が厳しくなって、 家族と引き離されて、 やがてアウシュビッツに辿りつく。 その時間の流れは一言ではとても言い表せなくて、 その物語に私は囚われているのだと思う。
いきなり敵軍に惨殺されても、 長い時間かけていたぶられても、 悲しい死に変わりはないけれども。
悲しくて、悲しくて。 でもやっぱり人間は弱いのだと思う。 状況によっては、いくらでも残虐になれるのだと思う。
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