私が悪いと思うからには、 やっぱり私が悪いのだろう。
開き直りと取られると困るが、はっきり言って、 私は彼女のことが嫌いだった。
そういう気持ちは、多分、伝わっていただろう。
居心地もよくないし、楽しくもなかっただろう。
私にだって言い分はあるし (メールではっきり指示したことを、よく読みもせず質問してくるなんて!)、 でもそんなことは関係なく私が悪い。多分。きっと。
救いなのは、引き金になったのは私ではないということ。 一因にはなっているのだろうけれども。 最後に背中を一押ししたのは、これまた私の嫌いな上司Kだった。
「これくらいのことは、自分でやって欲しかったです」 とメール冒頭に投げ出された一文によって。
私だって、少ない情報を元に必死で作業しているときに そんなことを言われたら切れると思う。 彼女は今までも不満をためていて、 ただ昨夜限界線を越えただけの話なのだろう。 これだけが辞める理由とは思えない。
作業を放擲して朝から東京へ戻っていった彼女。
彼女からのメールには以下のように書かれていた。
********************************* わかる範囲で作業を行い Kさんに最終チェックをして頂くと考えていたのですが Kさんの期待に沿えず残念です。 昨夜考えたのですが、退職することにします。 モチベーションもかなり下がってしまい、今後のタイトなスケジュールを こなす自信がありません。 *********************************
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