ひとりで行動するのが、苦手だった。
高校生の頃は、ひとりでコンビニやスーパーに行けなかった。 いや、行けないことはないけど、行きたくなかった、避けていた。
大学生になり、食事の支度を自分でする必要が出てきて、 やっとコンビニとスーパーには行けるようになった。
ひとりで外食も、できなかった。
大学4年になって、就職活動を始めて、 どうしても外で時間をつぶす必要が出てきた。 ファーストフードならひとりで入れるようになった。
ひとりで食事する必要があるときは、 家なりホテルが近ければコンビニで食べ物を買ってお持ち帰り、 それが駄目ならファーストフードかカフェで、というところに落ち着いた。
ひとりで洋服を買うこともできなかった。
大学生になっても、服を買うときは母と一緒だった。
大学4年間の間に、 ちょっとずつひとりで買うこともできるようになったけど、 スーツなど大物はやはり母と買いに行っていた。
就職してから、ようやく服がひとりで買えるようになった。 それから何年も経って、高額なジュエリーだってひとりで買えるようになった。
タクシーもひとりでは乗れなかった。 仕事の都合で、ここ数年、仕方なく乗るようになった。 慣れてみると、それはそれは便利なサービスなのだった。
そして、先日。 はじめてホテルのルームサービスを頼んだ。 はじめてひとりでファミレスにも行った。
「コンビニ弁当じゃなくてまともな物が食べたい!」 と強く思った結果だった。
ホテル激戦区の利をいかして結構いいシティホテルに泊まってるからこそ、 ホテルに電子レンジなんてない。 徒歩5分程度の距離にあるコンビニで温めてもらったお弁当も、 風が強い日には、部屋につくと冷たくなっていたりする。
暖かいものが食べたい! その一念で、この歳になってようやく「はじめてひとりで」にチャレンジした。
どうってことなかったけど、 やっぱりちょっとだけ寂しかった。
ファミレスで食事した翌日。 「初めてひとりでファミレス行っちゃった!」とメールで妹に報告。 「えーひとりで?私恥ずかしくてできなーい」という返事。
妹は私よりしっかりしててチャキチャキしてるから、 ひとりで外食も平気だと思ってた。 姉妹だったのね、とあらためて思った。
私の親友は、おっちゃん達が集まってる定食屋に、 夜ひとりで行くのも平気(これは学生時代から)だけど、 私もいつかそんな風になるのかしら?
前の会社で親しくしていた女性の先輩は、 「駅の立ち食いソバをひとりで食べれるようになったら一人前よ〜」 と言っていたっけ。
本当に亀の歩みだけど、ちょっとずつ行動範囲は広がっている。
次は「ひとりでお買い物編・最終章」、 マンション購入かな〜と思い始めた。
まじめにローンの計算をはじめようかというところである。
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