晴れ渡る空。 命令系統が錯綜しているらしく、人々はやはり忙しそうだけれど。 城もまだ半壊のままだけれど。
今朝、冥界軍は転移した。 ガッツオへと。
昨夜、私とユーキさまは二手に分かれた。 「マーナさん、あなたにはまだ・・・」 「でもユーキさま、わたしはこっちの方が得意みたいなんです」 「そのようですけどね」 ユーキさまは苦笑して、手を差し出した。 「じゃ、後で。ちゃんと戻ってくるんですよ」 「もちろん」 少しだけ震える手で、握手。
冥界軍への攻撃にまわる人々の波に入る。 大丈夫。 今日は怖くないから。 この勢いに乗ってしまえば。 反撃の雰囲気に飲まれてしまえば。 恐怖なんて振り払える。
…何をどうしたのなんて覚えていない。 眩暈を起こしそうな腐臭と、闇と、怒号と…。 いくつかの感触。 元は、命の有ったものの感触・・・。
青空の下、両手を広げて見つめてみる。 目を瞑って深呼吸する。 ユーキさまは、この手を握って 「大丈夫。あれは命のないもの。還してあげてよかったのですよ」 と・・・。
「マーナさん、冥界は転移しましたけど、どうします?」 約束。マリアンから転移次第帰る約束。
「帰ります。ウマリー島へ」
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