冥界軍はマリアンルージュへ。 どうして? マリアンの攻撃記録は残っていない。 わずか三日での転移。
どくたあさんは朝出たきり戻って来ない。 何度となく聞こえてくる臨時ニュース。
…行こう。マリアンへ。
ばたばたと友人を探しに王宮へ。 ごめんね、唐突で。 すぐに帰ってくるから。 会えなかった友人の家に手紙を残して 出奔の仕度をしに帰宅する。
「行きましょうか」 ゆったりとお茶を飲んでいたユーキさまが唐突に話し掛けて来た。 「は?」 「どくたあさんのいる、マリアンへ…でしょう?」
ユーキさまも出奔の届け出を済ませてきたらしい。 「ユーキさまも、実は行動的なんですね」 「僕は前から考えていましたから」
私も王宮に出奔の届けを出して、いつでも出られるように仕度を整えた。 マリアンへ行ったら、数日は自宅へ帰る暇がないだろう。 長くなれば数日じゃ済まないかもしれない。
「遅くなりました。いつでも出られますよ」 振りかえったユーキさまがにっこり、笑った。
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