四季 - 2002年11月11日(月) 恋の花吹雪が舞う、ときめきのとき。 灼熱の炎によって気だるさが襲う、倦怠期。 愛が色つき真っ赤に染まる、幸せの時。 別れの雪崩に飲み込まれる、失恋のとき。 季節の移ろいの中に、人は何を見るだろう。 詩人のように、歌人のように、旅人のように、絵描きのように 人は人生を表現するだろう。 学校へ行く道に、クロネコがドスンと坐っていた。 あたしがあるいても、一向逃げようとはしないので、近寄り、触ってみると、 制服のスカァトの中へ入り込んで、ぬくぬくとし始めた。 朝の太陽は、暖かいようで冷たい日差し。だから、いくら光を吸収する黒色の猫でも、寒かったのだろう。彼か彼女か判らない猫さんと、朝の貴重な時間を、10分ほど共にした。 落ち葉はまだ紅葉であった。木に宿っていた頃の紅色を残し、晩秋のアスファルトの端へ、寄り添って坐っている。あたしはその集団を、黒いローファーで踏んで歩く。乾いた葉っぱの音がした。落ち葉は、何時から落ち葉になるのでしょう。紅葉と呼ばれる、木に宿っている時は皆、綺麗だ鮮やかだ、と口を開け、上を見上げて、ぽぉっと其処に立つのですが、一旦落ちてしまえば水たまりと一緒に踏まれるばかり。 田舎の横断歩道の狭さに気附き、いかにも落胆したように下を向いて歩いてみる。土曜日に、都会へ劇を見に行った時は、とても横断歩道は広くて。 以前、気分が悪くなって倒れた場所を思い出した。 -
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