2014年07月29日(火) |
辺境の離島対馬レポート1(航空自衛隊第19警戒隊) |
7月27日から28日の二日間、「全国武の会」の一員として対馬視察に参加した。全国武の会とは自衛隊出身の議員の会で、もっぱら保守系議員が加盟している。会長はヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員である。
(福岡からプロペラ機で)
今回は、参議院議員2名、衆議院議員1名を含む総勢28名で対馬に向かった。羽田から福岡空港乗り継ぎで所要3時間半、やまねこ対馬空港に到着した。
島内屈指のホテルで昼食を頂いたが、その際参加者の中に自衛隊生徒の1期後輩で、入間市議の紺野君がいることを発見!これから2日間は、彼が「手下」である。民間や他の自衛官にはなかなか理解できないのが「自衛隊生徒」の上下関係だ。
自衛隊の階級には関係なく(ときとしては民間における社会的地位も関係な)期数の上下だけで立場が決まるという、恐ろしい世界なのだ。紺野君の救いは、私が鬼のような先輩ではないことだ。
昼食後、島内をバスで移動すること約2時間。これが国道なのか、と疑う狭い国道を北上。そして、さらに航空自衛隊が借り上げている民間船に乗り、ついに辺境の島「海栗島(うに)」に到着した。
(親子三代の自衛隊借り上げ船の船長さん。24時間要請があればすぐ出港してくださるそうだ)
この島は、防衛省が管理している島で、航空自衛隊第19警戒隊が所在する「海栗島分とん基地」がある。基地の営門(正面入り口)は桟橋、という航空自衛隊では珍しい場所だ。(海自は、正門は桟橋)
第19警戒隊の任務は、所管する空域の警戒管制である。飛来する航空機の敵味方識別を行い、そのデーターを福岡県春日市に所在する、西部警戒管制団司令部に送る。言うなれば、防空の最前線である。
(1回のレーダー照射で位置、高さ、速さを計測できる3次元レーダー)
妻帯者などは、対馬の官舎に住んでいるが、独身隊員はこの離島にある隊舎暮らしだ。先日着任したばかりの2等空士(新兵さん)の部屋を見せて頂いたが、プライバシーのない、相変わらずの相部屋である。こういう若い隊員たちが、わが領空を護っていることを是非知っていただきたい。
(独身隊員の宿舎の自販機はすべて売り切れ!)
(我々のために、歓迎ボードを用意してくださった)
普段は公開されないオペレーションルームに特別の許可を頂いて入った。ルーム内で聞こえる航空機との交信にも、国境のレーダーサイトの緊張感が伝わる。
視察を終わり桟橋に到着すると、所在幹部自衛官が勢ぞろいし、さらには、各小隊の旗が勢ぞろいしての見送り行事だ。軍隊(自衛隊も軍隊である!)や消防、警察では「旗」は部隊を代表するものである。すなわち、われわれを見送るために、すべての隊員が桟橋に集合したようなものである。
船から姿が見えなくなるまで、手を振り、旗の敬礼をして見送って頂いた姿にには感動した。「俺たちが国境を護るから、大丈夫」と言われているようでありがたく涙が溢れた。辺境の地で日本を護ってくれている彼らが働きやすい環境整備、法整備をするのが政治家、立法府の役目だとも痛感した。
夜は、対馬グランドホテルに戻り、対馬市長、市議、地元防衛協会のみなさんと懇親会。挨拶にたった対馬市長さんは、国境離島への国の支援の必要性を訴えられた。都会では想像もできない御苦労を感じた。
(ざっくばらんな市長さん)
懇親会終了後は、地元経済への支援のため、嫌がる19期生の紺野入間市議を拉致して「山ちゃん」に繰り出した。なんと、女性従業員さんの御主人は翌日うかがう陸自対馬警備隊勤務、御子息は習志野駐屯地勤務のそれぞれ自衛官。いやはや、御縁は素晴らしい。
(頑張っている、山ちゃん)
おい!紺野!もう一杯呑め!
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