2012年04月14日(土) |
障害をもつ人の参政権保障を求めるプログラム |
今日は、三田にある東京都障害者福祉会館で開催された「障害をもつ人の参政権保障を求めるシンポジウム」に参加した。これは、先日訪問した聴覚障害者施設の施設長さんからお誘いを受けての参加だったが、会場には大田区の障害者の方も多数参加していた。
このシンポジウムでは3つのケースについて報告がなされた。
1.成年後見制度選挙訴訟
これは、障害者の財産保護と自己決定権尊重とうたって、禁治産制度にかわり始まった成年後見制度の不備に対する訴訟である。すなわち、成年後見制度で被後見人になると、投票権が奪われてしまうのだそうだ。
訴訟代理人の弁護士によれば、国は「成年後見制度の被後見人は投票権を行使する能力がない」と考えているそうだ。では、「投票権を行使できる能力」とはなんだろうか。
「TVで面白こと言っているから投票した」「知っているから入れた」「マスコミのいいなりで投票する」こんな健常者の投票行動が「投票権行使の能力」と言えるのだろうか。
そして、弁護士は続ける。 我が国の公職選挙法は「個別訪問」を禁じている。それは、候補者が個別訪問をすると、日本人はお金を貰うという愚民だから、国が禁止して監視しなければいけないと思っている。
確かに、選挙前の演説会、選挙中の街頭演説で手話通訳の方をつけた時の聴覚障害者の皆さんの、食い入るような視線は忘れられない。
2.岐阜県中津川市議会の代読裁判
岐阜県中津川市の小池公夫市議(当時)jは、下喉頭ガンにより2期目の当選前に発声機能を失ってしまった。そこで、2期目から代読での発言を要求したが、議会側は認めず小池市議は中津川市と市議22名に対し、損害賠償請求をした、というものだ。
一審では市側に10万円の支払いが命じられたが、市議会議員の賠償請求は認められず、現在高裁で審理中だそうだ。
どこでも地方議会というところは「議論をしたり」「正論を言う」ことを極端に嫌う傾向にある。シナリオ通り、原稿通り、粛々と進められるのが「正しい議会運営」だと勘違いしている議会事務局や多数派幹事長により、「つまらない」「セレモニーのような」議会が、日本全国で開催されてるのだ。
さて、たぶん、小池市議も「正論を言う議員」のため、他の議員から「意地悪」をされているのだろう、と休憩時間中に名刺交換をした。やはりである。「日本共産党」の市議さんだったのだ。
正論を言い、さらに「共産党」となれば、「イジメの対象」となるのは、火を見るより明らかである。私は、共産党が大嫌いだが、議員の発言を制限しようとする痴呆議員たちは、もっと嫌いである。
「センセイ頑張って!」と、小池氏にエールを贈った。
3.ALS投票権裁判
ALSとは、運動神経が侵され全身の筋力が衰える病気で、投票用紙に自筆で記載することが困難なのだそうだ。ところが、当時の公職選挙法は自筆でないと認めず、4名のALS患者の方が国を提訴した。
その結果、東京地裁が「ALS患者が投票できない公職選挙法は憲法違反」との判決を出し、2004年には、郵便投票が認められるようになったそうだ。
いずれのケースも「いかにもお役所」が考えそうなロジックである。その「お役人の非常識」を是正するのが議員の仕事なのだが、最近では「お役人に飼いならされたイイ子ちゃん」議員が多くて、その機能を担えないのだ。
健常者の皆さん!まともな投票行動をお願いしますよ!せっかくの投票権なのだから…
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