いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年07月11日(月) 議会の形骸化にまた一歩!@大田区

 日本全国、地方議会は必要なのか、という議論が花盛りなのだが、どうも我が大田区は、そんなことなんのその、とばかり、議会の権能を狭まる方向にあるとしか思えない行為が見られるのは残念である。

 ちなみに、4月から議会改革担当副参事(課長級)が、区議会事務局に配置されたが「いい訳」のような、議会改革資料が配布されるだけで、到底機能しているとは思えない。ましてや「議論しない議会」で、議会基本条例など作っても何の意味をなさないし、本質的な問題は、議員の意識改革である。

 さて、松原新区長になってから、区議会をスルーをして区民との直接対話をしたり、区民からの要望を区政に生かす仕組みが多く作られて来た。区民のニーズを的確に把握することを否定するものではないが、度が過ぎると、議会軽視、議会形骸化を益々助長することになる。

 お役人や、自治体執行部にとって最も恐ろしいことは、「議会が議論をはじめ」「議会としての意思決定をする」ことである。そのことを防止するには、議会を「質問だけの場」にして、二元代表制では想定していない、与野党に議員を分断し、与党でも会派別にする、というテクニックが駆使されている。それに安住している議員も多いので、お互い様といえば、そうかもしれない。

 本日見つけた、いくつかの公募案件は、いずれも、本来議会や議員が行うべきことだと思うものだ。

議会形骸化作戦1
「第一期区民サポーター募集」
100名の区民を公募して、子育て、環境問題、高齢者問題等、大田区の諸問題につき意見を求めたり、イベント、講座、施設見学に参加するというものだ。いずれも、区民の信託を受けた議員の職務ではないだろうか。

議会形骸化作戦2
「大田区事務事業外部評価委員募集」
区の事業につき必要性など客観的な視点から公開の場で議論・評価をする委員2名を公募する。区議会の決算特別委員会の使命であるが、大きく違うのは「公開の場で議論」しない点である。区議会決算特別委員会や本会議は「公開の場で質問」はするが‥

議会形骸化作戦3
「大田区総合防災力強化検討委員会委員募集」
東日本大震災を受け、区の防災対策全般を検証する区民委員を2名を募集する。おいおい、それこそ、大田区議会防災・安全対策特別委員会の仕事だろうよ。

議会形骸化作戦4
「大田区地域協働協力員募集」
地域の課題に関する情報の収集、提供および地域で活動している団体間の連携・協働の支援をする非常勤職員(給与89,100円)を募集する。これは「御用聞き議員」と呼ばれる区議の最も得意とする分野ではないか!それまで、議員から取り上げるのか!!

 それぞれの制度を作った担当者は「議会形骸化作戦」などとは考えていないのだろうが、結果としてそうなってしまうことに、担当者も議員たちも気付いていない「大田区役所」という組織が恐ろしい。

 本来、議会が機能していれば又は機能しているとお役人が思っていれば、上述したような委員を区民から選ぶ必要はないはずだ。議会改革を論じる前に、このような二元代表制の片っ方の出方に抗議するぐらいの「誇り」を、議会も議員も持たなければ、住民からいつか見放されてしまうだろう。

 喝!


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